○…米不足で、価格も上がっている。これまで買っていたのが5kgで2,000円程度。それが今や3.500円かそれ以上になっている。我が家では先月、たまたま、誤発注でいつもの2倍の米を買ってしまったので、どうやら新米が出るまではつなげそうなのだが、スーパーに行っても米の棚が空になっているのを見ると、不安になる。
米がないと不安になるというのは、やはり日本人だなぁ…と呑気な話でもない。凶作でもないのに米の流通が不安定化し、価格が急騰するのは、農政に問題があるとしか言いようがない。減反誘導政策を続けている限り、来年の夏も引き続き同様の事態が起こってもおかしくはない。台風や渇水、高音障害など農作物の作況は常に不安定であり、温暖化に伴いこのボラティリティはさらに拡大することになる。これまでのような減反誘導政策を続けていくことは、もはや非合理的な施策であり、早急に転換すべきだ。シンガポールのような、もともと農産物のほとんどない国でも自給率を30%程度に高めようとしているのに、日本は休耕田や耕作放棄地を増やすばかりで“主食”でさえ安定供給ができない。
また、この状況でも備蓄米を放出できないという硬直的な制度の変更も必要だ。国家石油備蓄でも同様だが、供給側の問題がなければ放出できないというのは、市場経済を無視した制度である。かつての石油高騰時に米国は柔軟に備蓄放出を宣言、その宣言だけで価格が下がったという実績がある。どのみち、米も石油もいつまでも備蓄できるわけではなく、常に入れ替えが必要。であれば、需給のひっ迫や価格の急騰といった市場側の非常事態にも放出可能とするよう、より柔軟な制度の見直しが必要だ。生活に必要な食糧や資源の価格安定も重要な政府のミッションであるはずだ。
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