○…最近、とても気になっている事がある。巷でのエネルギー問題に対する言説が怪しくなってきているのだ。
具体的には再生可能エネルギーに対する風当たりが強くなっていることだ。曰く、太陽光発電のために森林を伐採しているとか、エネルギー収支が合わない、有毒な物質を使っている、廃棄が出来ない、さらには中国の手先呼ばわりまでされてしまう。一部の悪質な太陽光事業者が、山や森を伐採して太陽光発電所を作らせ、メンテナンスも禄にできずに、そのまま放置ということも実際にあるのだが、他の批判の殆どはデマである。有毒性などあり得ない話で、廃棄についても整備されつつある。そもそも、土地活用の問題を太陽光発電批判に繋げている節もある。
特に悪質なのは中国の手先呼ばわりだ。自然エネルギー財団の中国企業すかし問題でこれが激しくなった。既に同財団はこれについて詳しく調査・報告しており、単なるケアレスミスに過ぎないことがはっきりしているのだが、一部の(自称)エネルギー評論家が未だにこれを問題視しており、拡散している。恥ずべきである。
こうした動きを「再エネヘイト」と呼んでいる。一部の人間が事ある毎に誹謗中傷を行い、SNSなどで再エネヘイトを拡散していく。こうして再エネがいかにも反日売国であるかのように印象づけようとしている。
だが、再エネは純粋な国産エネルギー資源だ。輸入の必要もなく原料コストも掛からない。原子力ですら燃料を輸入に頼るしかない。特に今後は世界で原子燃料調達戦となり、安い国、日本では買い負けしていく可能性もある。
エネルギー安全保障の観点からは再エネが最強なのだ。問題は出力変動だが、これもグリッドのアドバンス化、蓄エネおよび再エネ設備の十分な量の普及によって対処することができる。エネルギーシステムは今後世界で大きな変革が起こっていくが、再エネの拡大だけは間違いが無い。
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