○…今年1年、世界は紛争の混乱と、忍び寄る気候変動による不安から脱却出来ないでいる。ウクライナに加え、パレスチナの紛争も勃発しているなかで、欧米や日本を含む西側諸国は何の手も打てないまま、いたずらに死者数が増えていくのを見つめているだけである。
一方、世界各地で異常気象が発生し、大きな災害がいくつも起っている。日本でも相次ぐ熱中症患者ばかりでなく、記録にない猛暑となり、農業生産や漁業にも悪影響を与え続けている。
過去数十年間、地球温暖化への警告が繰り返されて、世界的な枠組み条約も動いているにもかかわらず、気温上昇を1.5℃以内に抑えるという目標に対して、すでに1.4℃まで上昇してしまった。過去の警告や、地域をまたぐ取り組みも行われているものの、国や、個々の産業の利益が優先されてしまう。どこかで誰かが熱波や紛争で苦しんでいても、我関せずなのである。
「地球沸騰化」は気候変動だけで無く、世界で相次ぐ紛争拡大の様子も含んだ表現として使われるべきでは無いか?と感じるほど、世界は不安定だ。各地で極右政治家がトップとなり、地域分断、民族分断へと繋がりかねない状況になってきた。
気候変動は国や民族、地域、個別の産業を超えた問題である。これらの枠組みを超えた「パン・アーシアン」とでも呼ぶべき連携が必要であるにも拘わらず、世界の現状を見ていると、真逆の方向に動きつつあるようにしか見えない。
このままでは、人類は遠からず、破滅に向かうしか無いだろう。カーボンニュートラル目標である2050年、世界がまだ機能しているよう、願うしかない。
|