○…日本が配信し、全世界から支持をされているコンテンツが、マンガとアニメである。特にアニメは世界各国での人気が高く、アニメを切っ掛けに日本に関心を持ち、独学で日本語を学び、オリジナルでアニメを鑑賞し、アニメソングを歌う。秋葉原や池袋などの「アニメの聖地」では多くの外国人が海外から訪れている。コスプレして秋葉原を歩く外国人も多い。日本人よりもアニメに近い顔立ちを持つ欧州の人のコスプレは、非常に高いレベルの人も多い。日本なのか世界なのか、現実世界なのか異世界なのか、色々なものが混じっていて、見ていると面白い。
ところで今年の秋のアニメ番組はなかなかの力作が揃っている。何年も前からアニメ化の要望の高かった二つの作品「葬送のフリーレン」と「薬屋のひとりごと」が同時に放送開始されたことで、アニメ界では大きな話題となっている。実際に見ると、アニメ化するにあたっての意気込みを感じる。まさに力作となっていると思う。
この二つの作品、設定もキャラクターも全く異なるが、女性が主人公という点で一致。しかも色恋の要素は全くなく、人の気持ちを深掘りしていくさまが良く描かれる。そんじょそこらのドラマよりよっぽど奥が深い名作となるだろう。
振り返ってみると、かつては殆どのヒットアニメは男性が主役だ。女性が主役でヒットしたものは少なかった。しかしこの数年、女性が主役のアニメがかなり増えてきている。ただ、名作と言われるアニメには「アルプスの少女ハイジ」「風の谷のナウシカ」など女性主人公のものが多い。暫く前に「後宮の烏」という地味だが奥深いアニメがあったが、これも女性が主役だ。米国でもヒットした「宇宙より遠い場所」に至っては、4人の女子高校生の友情物語であり、南極観測のリアリティを描いた名作だが、男性の影が特に薄い作品だった。
女性進出が世界に比べ遅れている日本で、女性主人公アニメが名作を生み出しているのは、ちょっとした希望にも思える。
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