○…先日、某講演会に参加した。某エネルギー会社社長の講演に関心があったためだ。ところがその講演内容はヤバかった。その会社の取組みについては理解できたが、その人個人の思い込みの部分が、あまりにズレてるのでびっくりした。
講演でその人は「温暖化は進んでいるが、ぞれが人為的な要因によるものとの科学的根拠はない」とする書物を紹介し「読んでみてください」と述べた。既に現在、世界中の科学者が様々な研究を重ねて、地球温暖化がほぼ間違いなく人為的な要因によるもの、ということを着実に立証してきた。「人為的な要因によるものという科学的根拠はない」というのは、10年以上前であればまだしも、現在ではほぼ完全に否定されている。そんなことを言うなら「温暖化が人為的な要因によるものではない」という科学的根拠こそ示されなければならないが、そうした根拠には怪しいものしかない。
また温暖化対策について欧州が先進的であることを挙げつらって「再生可能エネルギー原理主義や環境原理主義が日本を滅ぼす」という主張も紹介していた。欧州の「したたかな」煽動によって、日本は損をしているらしい。
だが再生可能エネルギーは間違いなく増やしていかなければならない。むしろ再エネでは先進的であったはずの日本が、逆に後進的になってしまった。再エネに真剣に取り組んできた欧州と、そうでなかった日本。その結果が今の日本の姿なのだ。この事の方がよっぽど「亡国」ではないだろうか。。
科学者の中でも、上記のような暴論を主張する人が今でも後をたたない。だが、その方がキャッチーで「売れる」という目論見であるか、全くの専門外で温暖化についてほぼ無知であるかのいずれかだ。これらの甘いささやきには騙されないようにして欲しい。日本の将来が心配になる。
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