○…外国人観光客の制限が解除されたことで、都内でも多くの外国人観光客が目立つようになった。まだ新型コロナ以前の状態に戻った訳ではないが、世界のオタクの聖地である秋葉原も賑わいが復活したように感じる。
そうしたこともあってTVのニュース系番組は最近、外国人観光客の爆買いを頻繁に紹介している。あまりに多いので、円安で爆買い、という紹介の仕方にはもう飽き飽き。ここまで多いと逆に「円安のメリットはこれしかないのでは?」と勘ぐってみたくなる。実際のところ、外国人観光客と、彼らを相手にする商店ぐらいしか円安の恩恵はないのかもしれない。
かつては「円安で輸出企業は価格競争力が上がるため受注が増えて増収増益となる」と言われていたが、最近はシンプルに輸出というだけで考えるのも、あまり適当ではないように思う。例えば自動車メーカーのようなグローバル企業は各地に拠点を作っているため、連結業績にあたえる円安のメリットはかつてよりも相対的に小さくなっているだろう。
プラント建設プロジェクトでも、第三国調達などが普通になり、プラント輸出というより国際プラント貿易である。しかも現状では、単なる円安ではなく、資源高が同時に進行している。円安ということは日本の購買力が低下していることも意味しているのに加えて、資源高である。単純な加工貿易として考えても、調達価格は上昇するので、販売利益は薄くなってしまう。
政府が為替介入を行っても、すぐに円安は元通りとなってしまう。日米金利差でドルが買われているというが、ドル以外の通貨に対しても円安となっていることは説明しきれない。
「円安というよリ日本売りだ」という絶望的な観測も広がってきた。海外に出稼ぎに出る日本人も出てきたという。ため息がでるようなこの状況。アキバも混んでるので、ちょうど見頃のバラを見に行って、気を紛らわせるか。
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