○…円安で日本の不動産が海外から注目されている、という報道が続いた。海外から見れば、条件の良い物件が円安で相対的に安くなっている今は、まさに買い時でもある。日本はOECDの中でも、GDPが全く上昇せず、購買力が相対的に低下。有名なビッグマック指数でも、先進国最安。iPhoneの最新機種も円安のために、昨年の機種から大幅に値上げされたのだが、それでも世界最安だという。
安い日本で土地やマンションが買われるというのは至極当然のこと、円安が是正されれば相対的に価格も上がるので、その時に売ってしまえば利益になる。そうした投機的な目的で日本の土地を買おうとする人も多い。また本当かどうかわからないが「日本の土地を持っている」というのが一部の外国人にとっては自慢となるという。ただ、安い国になった日本の土地が本当に自慢になるかどうかは良くわからないので、眉唾ぐらいにしておいた方がいいだろう。
一方、外国人に土地を買われることに危機感を持つ人々もいる。日本を侵略されているような気になるらしい。先日はあるミュージシャンが北海道のライブで「外国人に土地を売らないでくれ」と言ったという。「北海道の水源林を外国人が買っている。水源が危ない」という古いデマを真に受けたのかもしれない。
当然だが外国人が土地を買っても、日本の法律に縛られるため、治外法権になるわけではない。特に水源林は法律で保護されるので、それで水源がどうにかなるわけではない。むしろ森の木一本すら、地権者が勝手に切ることができないので、土地としての価値はほとんどない。だから元々の地権者が手放したがる。それをうまいこと言って売りつける「原野商法」という詐欺がある。水源林を買ってしまった外国人には、この原野商法の詐欺被害者もいると見られている。
円安で日本の土地が安くなった今、外国人をターゲットとした原野商法が再び活発化する恐れがある。さらに、原野商法被害を救済するという名目の詐欺もあるという。対策が必要だ。
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