○…オリンピック関連の賄賂で逮捕者が相次いでいる。正直に言って「さもありなん」という感じである。オリンピックが賄賂体質であることは、ずっと以前から指摘されていた。誰かの金儲けや、政治的目論見にスポーツが利用されているだけ。近代オリンピックはアマチュア精神が重視されていた筈だが、現実には世界トップとなるアスリートはほぼセミプロであり、政治目的で大いに利用されている。
元ラグビー日本代表の平尾剛神戸親和女子大学教授もこうしたオリンピックへの疑念を示している。「競技者の理想を脇に置きつつ、権力者は『レガシー』作りのため、資本家にとっては商機をつかむための巨大なイベントにオリンピックが成り下がっている」。
東京五輪は、新型コロナで1年延期された。昨年夏の感染状況から見て、中止となっていてもおかしくはなかった。しかし、オリンピック開催契約にはフォースマジュール条項がなく、開催国側の都合で中止すれば違約金発生の可能性があった。このようなビッグプロジェクトの契約で不可抗力条項がないということ自体、不平等な契約を押しつけられているということである。
IOCのどなたかが「ぼったくり男爵」と呼ばれていたが、オリンピックの招致にはIOC理事への大場振る舞いが、当然のことと容認されている。「そうしないと招致できない」という意見があるが、これは贈賄である。だからフランス警察も取り調べている。スポーツジャーナリスト達が、賄賂での逮捕者が出たことで「残念」とコメントしていたが、実に白々しい。彼らこそ、オリンピックは賄賂体質であることを最初から解っていた筈だ。。
「IOCは解体すべきだと思います。IOC貴族と言われるIOC幹部は、1泊300万円のスイートルームに4万円で宿泊し、残りは全部JOCが支払っている。IOCの理事会は、地中海のヨットの上で大富豪が集まって行われるそうですから、一般市民の感覚が理解できるわけはないですよね。そうした組織を浄化することはまず不可能でしょう。」(平尾氏)。全く同感である。
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