○…今年の夏は、とても暑い。ほんの少し外を歩くだけで、頭がふらつく。冷房の効いていない部屋に入れば、一気に汗が噴き出す。こんな状況で節電せよと言われても、冷房をつけなければ、即熱中症となりかねないような日々が続いた。
今年6月に政府は初めて電力需給逼迫宣言を出した。その後は宣言を出していないが、8月の猛暑でも電力供給はかなり危ぶまれたと聞く。
それでも「足りないから我慢しろ」というやり方では問題を解決できない。夏の暑さの前で「節電せよ」は通用しないのだ。決して大げさではなく、我慢を強いることは、個々命に関わるからだ。
温暖化が進んで、夏の暑さも、水害の強度も年々大きくなっていく。自分の子供の頃を思い返しても、夏休みなど、それこそ一日中外で遊んで汗だくではあったが、これほどの暑い夏は記憶が無い。そもそも家にクーラーなどなかった。あるのは扇風機が1台だけ。風呂上がりには扇風機の前に陣取って、体を冷やしつつ「あー」と声出して遊んでた。夜、寝る時にはその扇風機もスイッチを切られた。親からは「体が冷えるから」と言われていたが、さすがに真夏は暑くて寝苦しかったのは覚えている。
「熱帯夜」という言葉が出てくる様になって、寝苦しさが増し、我が家でもいよいよクーラーを付けることに。まだ初期のクーラーだったので、セパレートタイプではなく、壁にクーラーの大きさの四角くて大きな穴をぼっこりあけて、そこにはめ込む形だった。その日から、夜はクーラーのある部屋で寝るようになったのだ。
そういえば、当時も「日射病」という言葉はあった。また、しばしば夏場に運動部の部活が停止になったことがある。「光化学スモッグ」のためだ。当時は夏の気温より、大気汚染が大きな問題だった。この数十年で、身近な環境も、大きく変わった。
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