○…先日、ツィッターの一つの投稿が目に留まった。「日本製のPCが大人気だった。みんな欲しがった。ある時期からぱたっと見なくなった。他の製品も一緒に消えた。日本車はまだ走っている。水が出るトイレのことをまだ聞かれる。日本に観光に行きたい人は結構いる。しかし他の賛辞をあまり聞かなくなった。いよいよ大変な時代に入ったと気が重くなった…」。
日本の産業の凋落ぶりがありありと目に浮かぶ。しかも、このツィートには2万5,000もの「いいね」がついている。ツィート主だけでなく、日本の凋落ぶりを憂う人がそれだけ多いということだ。
そう言えば以前、いわゆる「ニッポンすごい」系番組の一つで、日本発の技術として取り上げられていたのは洗浄便座ばかりだった。ノートパソコンは東芝のダイナブックが世界初の製品だったが、東芝はダイナブックを手放した。ソニーもかつて人気だった「VAIO」を分離。日本製ではほかに富士通やNECが頑張ってはいるが、アップルやHP、レノバなどが優勢だ。
パソコンだけでなく、今や生活必需品であるスマートフォンでも日本勢の勢いはない。日本で約半分のシェアを持つiPhone、韓国のギャラクシー、そして中国製の安くて高性能な製品が幅を利かせている。日本製ではソニーとシャープがなんとか踏ん張っている程度だ。
「忙しいときは忙しいから人材育成できない。不景気の時は予算がないから人材育成できない。足りない足りない工夫がたりないとか言っておきながら、おまえらが一番足りないんだわっ!」という投稿も。
一方、フィンランドでは18歳まで義務教育を延長したという。「これまでも大学院まで授業料は無料」「今後は18歳まで教科書や備品、学食の費用が全て無料」「狙いはさらなる教育の平等、そして国民総高スキル人材」の実現だ。社会からの脱落や孤立化を防ぎ、労働市場でも「誰一人取り残さない」を目指す。同じ地上にこういう国が。…なんだか悲しくなってきた。
|