○…「富士吉田水素発電所」が4月6日に運転を開始した。Hydrogen Technologyという会社が開発した水素生成技術を使ったもので、同社と再エネ大手のイーレックスが共同で実証型発電所を建設した。発電出力は320kW(水素量270Nm3/h)。実証運転では連続性の確認とコスト低減を目的としており、次のステップとして、水素量1,500Nm3/hの大型装置の建設検討を進めていくとしている。
この実証設備の成果は、色々な意味で注目を集めることになりそうだ。実は昨年暮れに初めてHydrogen Technologyの水素生成技術の話を聞いたのだが、その時には、正直、信じることができなかった。その技術というのが「水と天然鉱石との反応だけで、天然鉱石から水素を取り出す」というものであるからだ。しかも外部からの熱や電気をほとんど使用しない、という。それで78㎡の必要面積で300m3/hの水素をCO2フリーで生成できるとしているのだから、眉唾ものと思われても仕方がない。
だが、この話を教えてくれた某教授も半信半疑ながら期待を寄せている様だった。また経済産業省なども試験設備を見に行ったらしい。イーレックスが実証試験に参加しているということから見ても、あながちデタラメではないのかも知れない。しかし如何せん、その原理が全く解らない。今回の発表で、天然鉱石が火成岩であることが解ったが、それでも良く解らないのである。
日本ではこれまでも、まやかしと思われる技術が大々的に取り上げられたことがある。昔、廃プラスチックを「ワン、ツー、スリー」で軽油にするというものがTVで紹介されたことがある。当然プラントメーカーは信じなかったが、まじめに検討した自治体もあったと聞く。
今回は本当なのかも知れないが、やはり原理やメカニズムが明らかにされないと、実用化には繋がらないだろう。
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