○…新型コロナによる死者数が1万8,425人を超えた。東日本大震災の死者・行方不明者数を超えたということである。新型コロナが戦後日本で最大の災害となったわけだ。
死者数だけではない。経済損失も大きいものとなっている。オミクロン株の流行で飲食業や旅行業などが再び大きな打撃を受けつつある。そういえば近所でもいくつかの店が閉店し、新しい店になったり、そのまま空き店舗となっていたりする。
医療も再び混乱してきた。PCR検査センターだけでなく、発熱外来にすら列ができるという前代未聞のことが起こってきた。爆発的な感染拡大で、医療の対応があっさりと限界に達してきた。基礎疾患のない若者には、医療機関に行かずに自宅待機をお願いするという話まで出てきた。日本の医療体制の脆弱性が露見している。ワクチンのブースター接種もまだこれからであり、先進国としては遅い方となった。
新型コロナの国内での感染拡大から、もう2年近くが経っているのに、感染が蔓延してから、泥縄のような対策に終始しているのはどういう訳なのか。オミクロン株についても「しっかりとした水際対策」といいつつ、在沖米軍からの国内感染の拡大は無対策だった。検査体制も以前からは拡大しているものの、やはり間に合っていない。さらに感染者の隔離施設は全く足りず、ほとんどの人が自宅での自主隔離に任せている。その人たちには管理の目も、支援もとどかない。
この国の政府はどうも「安全バイアス」に支配されているようだ。経済を回すことはすぐにお金を出せるが、国民生活を守ることは、なかなか動かない。それが結果的に、経済面でも大きな損失を生み出してしまっているように見える。
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