○…特定業界向けのメディアには、クセの強い人が多いように思う。例えば記者会見で必ず挙手する人の中で、質問をしたいのか、自説を披露したいのか良くわからない、とても長い質問をする記者というのを良く見てきた。そういう人に限って、会見の終了時間が迫っているのも構わずに、長々とお話をしてくれる。お陰様で、残り時間を気にしながらコンパクトに質問をまとなければならない場合も多い。
中には、質問内容を否定されて逆ギレするような記者もいた。最近はお目にかかっていないが、自分の考えを否定されるのが癇に障るのだろう。あらかじめ自分のストーリーを作っておいて、それに沿わない解答を受け入れられない、という記者の話も聞く。
昔、聞いた話では新聞の社会部の記者は企業の不祥事などで、広報の担当者が泣くまで責め立てるという。それに比べれば、今テレビで流れている記者会見などは実に紳士的に行われている。ただ、逆に“記者魂”といえるような熱いものを持つ人も少なくなった。
某業界紙にはそういう人がまだいる。業界紙記者なのに、業界企業からの掲載前の記事確認を断ってしまうなど気性が激しいので社内でも困った人扱いなどだが、私は嫌いでは無い。
その記者、ある時キンドルペーパーホワイトを購入してきた。「ネットにどうやって繋ぐの?」と聞かれたので教えてあげた。うまく繋がって、早速、何かダウンロードしていた。何を入れたのか?と聞いたら「般若心経」という。こんな激しい人が、そんな心情になったのか?と驚いていたのだが、どうやらその後、仏教にどハマりしたらしい。以前は付き合いで飲んでた酒もキッパリと辞め、さらにはインドだかどこだかに修行に行ったという。
同社内では、その修行で少しは丸くなって帰ってきてくれるのではないか?と少々期待していたのだが、そこは全く変わっていなかったので皆、ガックリした、と言う話を面白がって聞いていた。
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