○…「1日1万人に達する可能性がある」と尾身会長が述べた時に、咄嗟に頭をよぎったのが「東京に1日1万人の感染者を検出できる検査のキャパシティはあるのかな?」ということだった。
8月初頭。4,000人を超えたあたりでの陽性率が20%になっていた。明らかに検査が足りていない証拠である。しかも、この時点で検査数は約2万ということになるが、実際には1日で検査したわけではない。東京都のHPでみるとそのPCR検査数は1万3,000件強であった。
仮に、1万人の時の陽性率が20%のままであれば、検査数は5万件を超えていなければならない。2日間の合計と考えても、少なくとも2~3万件の検査能力は最低でも必要である。実際ところ、どれほど伸ばせるのか。
オリンピックが終了したことで、検査可能なキャパシティは少しは上がっているかもしれない。また民間のPCR検査もあるかもしれない。ただ、コロナ感染が拡大して以来、感染拡大時に症状が出ている人をずべて検査できる状況には、一度も実現していない。
中等症の患者は原則自宅療養という政府方針は、さっさと修正されたが、自宅療養はそんなに甘くない。昨年1月から今年6月まで、警察が扱ったコロナによる自宅死件数は、東京だけで121件。そのうち生前にコロナ感染が判明していたのは33件。88件は死後に判明したものである。8月だけでも最初の5日間で8人の自宅療養者が亡くなっている。感染が確認されないまま亡くなる方も増えるだろう。
これを防ぐには、検査を増やして、陽性者をとにかく発見することと、自宅療養者の容態急変を如何に把握するか。しかしいずれも実現は難しいだろう。
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