○…どうもオリンピックという祭典に今ひとつ乗り切れない。別にスポーツが嫌いという訳ではないのだが、オリンピックに特別な感慨を持てない。確かに、一度に数多くの競技に触れることのできるオリンピックの意義もわからないのではない。実際、オリンピックの一部競技は通常、見られないものがあって、それは楽しみである。ただ一般に注目されるのは一部のメジャーな競技だけ。特に話題となるのは日本はいくつ金メダルを取れるのか?という成果主義。純粋にスポーツを楽しむ祭典からは、かけ離れてきたようにも思う。
おまけに「アスリート・ファースト」と言いながら、米国のTV放映権の都合で、真夏の炎天下でのマラソンを強いられてしまうことのどこが「アスリート・ファースト」なのか?これじゃ単なる「ご都合主義」ではないか。
おまけに金の掛かること掛かること。誘致前は「世界でもっとも金のかからない五輪」とか言ってた都知事もいたが、蓋を開けてみれば当初予算を大幅に上回ることになってしまった。こんなに金が掛かるのであれば、日本ももう二度と招致することはできないだろう。ギリシャやブラジルのように、国の財政を傾けてまでやる必要があるのか?放映権でスケジュールが動かせないようなら、商業主義に徹して、税金を投入しないで開催するようにして欲しい。今のオリンピックは、近代オリンピックの精神から、最もかけ離れたものに化けてしまったように見える。
新型コロナの収束が全く見えないなかで、どうしてもオリンピックを開催しなければならない、という雰囲気がある。異論を認めない偏狭さも五輪の弊害だと思う。いっそIOCも解散してパラリンピックだけにしたらどうか? |