○…もう2年ほど以前になるが、ある日、右腕に力が入らなくなった。近くの整形外科に行って、診察してもらったのだが、そこの医師はちょっと腕を触った後、腕を曲げて「力を入れてみて」と言った。できるだけ力を入れてみてから、リハビリをしようということになった。
リハビリの内容は電気治療である。両肩と背中にまず10分間、電気を流す。筋肉がピクピクすると同時に、暖めてくれるので、筋肉がじんわりと暖まる。続いて別の治療機器で、右側の首筋から肩、腕にかけて電気を流す。これは針治療の電気版のようなものだ、と説明され、解ったような解らないような状態で治療を受ける。こちらは電極を付ける場所が少しズレると、効き目が変わるので、自分で場所を把握して、そこにつけて貰うようにしていた。ツボにあたって、電気も強めに流して貰うと、とても気持ちよい。稼働中に音楽が流れるので、10分もするとウトウトする。丁度、眠りかけのところで、いつも終了するので、ちょっと残念だった。
これをずっと続けたことで、腕の状況も大分良くなったところで、あるものの存在を知ったのである。
「エルゴノミクスマウス」である。人間工学に基づいた設計のもので、通常のマウスに比べて腕への負担が少ない、という。早速一つ買ってみて試してみた。マウスを握る角度が普通と異なるので、ちょっと慣れは必要だが、使ってみると、腕の疲労感が確かに少ない。ほんの数週間使ったところで、整形外科のリハビリが必要なくなってしまった。 この数年間のリハビリは何だったのか、もっと早くエルゴノミクスマウスに替えていれば、と後悔した。工学って素晴らしい。
医師にマウスを替えたら楽になったと報告をすると、多少喰い気味に「どんなマウス?」と。似たような悩みを持っているのかも知れない。 |