○…今年のノーベル物理学賞に、ブラックホール研究者3名が決定した。SF好きとしては、ブラックホールと聞いて、思わず高揚としてしまうものがある。
アインシュタインの一般相対性理論から、ブラックホールが生じることを示した英オックスフォード大学のペンローズ名誉教授と、天の川銀河中心部の巨大ブラックホールの存在を、長きに亘る観測から明らかにした独マックス・プランク地球外物理学研究所のゲンツェル教授とカリフォルニア大学ゲズ教授の3名だ。
ブラックホールと言えば、光すら脱出出来ないほどの強烈な重力を持った天体ということで、目に見ることはできない。それだけではなく他の天体と大きく異なるのが「特異点」を持つということ。重力が無限大となり、そこは通常の時空間の物理法則も通用しなくなる。となると異次元への扉とも言えるかも知れない。
特異点とか異次元と言う言葉はSFやアニメで良く使われている。ブラックホール自体もSFにはなくてはならない存在で、よく登場する。何の作品だったか覚えていないが、発見された壊れた宇宙船を調べると、金属からプラスチックへの傾斜材が使われており、それはブラックホールの事象の地平線を越えるためのもので有った、という話があった。(この作品で初めて傾斜材というものを知った)。また筒井康隆の作品のなかで「ブラックホールかけご飯」というものが出てきて笑ったことがある。食べる前に飲み込まれそうだが、地球上で極小型ブラックホールが生成された、あるいは生成される可能性があるとする論もあるという。実際には確認されていないが、びっくりしたものだ。
ブラックホールは、別宇宙へ繋がっている、という作品も多い。いつまで経っても興味が尽きない存在だ。 |