EnB 14号 目次
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■「エンジニアリング・イヤーブック2019」
主要企業50社のエンジニアリング戦略
アウトルック「エンジニアリング業界、変貌へ」
2018年度主要プロジェクト一覧

■NEWS Flash
・日鉄エンジ、独ストーカ炉受注
・「情熱・先端Mission-E」がスタート
・山九、サウジアラビアJubailで保全作業受注
・日立製作所、電力需給調整市場システムを受注
・明治機械、大型配合飼料生産プラントを受注
・川重、京都市の工事向けシールド掘進機受注
・荏原、帝国電機とポンプ技術で提携

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EnB 14号 表紙

 

EDITORAL

●編集後記

○…物事をみて判断するとき「鳥の目、虫の目、魚の目」でみよという説がある。物事を俯瞰的にみる鳥の目、近づいて複眼でみる虫の目、潮流(物事)の流れをみる魚の目、だそうである。そして世阿弥は、能を舞うときに「3つの視点がある」といたそうである。演者が舞台から観客を見る視点「我見」、観客が演者を見る視点「離見」、全体を客観的に眺める視点「離見の見」と。世阿弥の言葉は、世の中をみる目としても含蓄に富む。
 つい最近、千葉県のある小学生が童話ー「桃太郎」に出てくる鬼は悪くないーという趣旨の書籍を出したというニュースがあった。本のタイトルは、「桃太郎は盗人なのか?〜『桃太郎』から考える鬼の正体〜」だそうである。福沢諭吉が「(宝物を奪った)桃太郎は盗人だ」と批判していたことも知り、「鬼ケ島の鬼は悪者なのか」と疑問を持ち、いろいろな図書館で桃太郎の本を計二百冊以上調べたようである。その結果、『鬼に落ち度はなく「桃太郎盗人説」に共感を覚えた。同時に得体の知れないものを「鬼」とすることで、日本人は昔から心の安定を図ってきたという結論にたどりついた』というのだ。
 我々が疑問を持たず受け入れていた、受け入れようとしていることも視点を違えれば、違うものがみえてくる。

○…某社のテレビCMで、「堅い人」と思われた会社員が、飲み会の帰りにドローンで空を飛んで帰るというのがある。それを見て「案外柔らかいのかも」という台詞が乗っかる。堅い会社というイメージを柔らかくしよう、という意図は分かるのだが、状況がおかしい。
 そもそもお酒を飲んで帰る際は自動車ですら運転してはいけないのだ。空を飛んで帰るなど言語道断である。しかもその場所は東京都心部のどこかのような設定である。都心部ではどこでも、ドローンを飛ばすのは違法行為となる。短いCMのなかに、明らかに違法行為と思われる行動が含まれると、会社のイメージを変えようとする意図と異なり、見ている方は「オイオイ、それはダメだろ!?」となり、却って企業イメージの悪化が懸念される。
 似たような失敗CMとして、アニメ映画で有名な監督を起用しているものがある。同窓会に参加している同級生に対して「出られない。海外だから」というメールを女性が送りつける。海外工事での女性起用というイメージを出したいのかもしれないが、これが評判が悪い。「同級生に対するマウンティングとしか思えない」「同窓会当日に欠席メールとかあり得ない」と。実際、感じ悪い人にしか見えないのだ。大金出してイメージ悪くなっては意味が無いだろう。

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