○…30年間続いた平成もあと数日で終る。昭和生まれの者にとっては、三つの元号、三時代を経験することになる。これから数日は、新元号関連の話題でメディアがかまびすしいことになるだろう。10連休は報道から遠ざかろう。
いまさら、ここで新元号「令和」について薀蓄をかたむけ、話題にする必要はあるまいし、それにこの話題に辟易している人も多いかも知れない。ただ、「令和」関連で気になることがなくはない。
元号は「国民文化的な装置であり、すべての国民が心静かに受け入れられるように最大限の注意をもって扱うべき事案である。」という意見があった。その通りだと思う。だが、いかんせん元号は国際的には通用しないし、元号離れは今後ますます進むだろう。そして、気になる点は発表の際「典拠は日本最古の古典万葉集の「梅花三二首」の序文である」と述べていること。これを大手マスコミはその通り報道した。その後中国文学者から指摘されたことは殆ど報道されない。「初春令月、気淑風和」(初春の令月、気淑しく風和らぐ)」の出典が中国・後漢の張衡の『帰田賦』にある「仲春令月、時和気清」という指摘。『新日本古典文学大系・萬葉集』の当該箇所にも典拠として張衡の詩のことが明記してある。でも政府の言うとおり「国書出典」こそが大事なのかもね。
○…教員不足がいよいよ問題となってきた。退職する教員はいるが、臨時的任用教員登録者が皆無であるため、後任の教師が配置されないと言う事態が、神奈川県横浜市や北海道、新潟県などで起こってきている。松江の中学校などは昨年、英語の教員が確保出来ず、約1カ月間授業が出来なかったという。
教員の数が足りないということだけでなく、教員を目指す学生そのものも減っている。国公立大学の教育学部でも、競争倍率2倍以下の大学が結構ある。教育者を志す人からして減っているという。
ネットでは「そりゃそうなるだろ」という冷めた声が目に付く。実際、教師の仕事がブラックであることが周知されてきている。残業、と呼ばれない残業も多く、半分以上の教師が過労死ラインで仕事している。その待遇改善も進んでいない。さらに教師が減ってくれば、残っている現役教師に負担が重なってくることになる。それで質の高い教育が出来るとは考えられない。
しかも教師は孤立しやすい。学校で問題があれば、大体現場の教師の責任となる。生徒の親からの突き上げも厳しい。教育委員会もあまり助けてくれない。誰かが「政治家は鬱にならない」といったそうだが、それは教師ほど仕事していないだけでは?事態は急を要している。政治家の仕事をしてもらいたい。 |