○…人工知能(AI)の進展が目覚ましい。企業に関する日々の報道でもAIという文字に触れない日はまずない。しかし、私たちはAIとどう付き合うべきか。ちゃんと答えをもっているのだろうか。
2月に来日したドイツのメルケル首相の話に、人間はAIにどう対応すべきかというヒントがあったとある報道は言う。大学生との討論会で「AIの活用」につてい問われたメルケル首相は、「AIに倫理的な歯止めをかけなければならない」と説く。
ドイツ政府は、インターネットやAIを活用して製造業をデジタル化する「インダストリー4・0(第四次産業革命)」構想を進めている。メルケル首相の訪日は、この分野で日本との連携を深めることも大きな狙いであるといわれている。
「では、倫理的な「歯止め」は進むのか。EUは昨年、インターネット上の個人消去などを規定した一般データ保護規則を施行した。一方で、殺人ロボットなどAIの軍事利用に対しては有志研究者らが反対を表明しているが、開発を優先させたい日本政府は規制に消極的だ」と解説する報道もあった。
技術には常に長所も短所もある。メルケル氏の言うとおり倫理を持った人間が目を光らせていくしかないのではなかろうか。
○…政府統計の問題で、本当の問題点が今ひとつピントがズレているようだ。これはプログラムの問題でもなければ、官僚が手抜きをしていた、と言うものではない。政府が信頼出来ない存在であることが明らかになった、ということだ。
本来、政策というのはEBPM(Evidence based policy making:科学的根拠に基づく政策)でなければならない。でなければ、客観的事実に裏付けされない、誰かの気分に基づく政策がまかり通ってしまい、国を混乱させることになる。
しかし今の政府統計の状況は、EBPMではなく、PBEM(Policy based evidence making:政策に基づく根拠の捏造)となっている状態だということだ。
例えば外国人観光客の統計がいい加減だ。最近、この統計はクルーズの一時寄港で上陸した人も一回一回カウントしているため、日本で宿泊する外国人の増加率を水増ししているという。「民泊はやらない方がいい」と噂されるのも宿泊客は統計ほど増えていないから。また、カラ求人でもよいから求人案件集めてしまえば、有効求人倍率は上がる。失業率はハロワに求職に来ない人はカウントしないので求人状況が良くなっているように見せるのは容易だ。実質賃金にいたってはマイナスだそうだ。日本の国としての形が壊れつつあるのを実感する。 |