○…新しい年を迎えたので明るい話題を。日本の技術が世界を変えるかも知れない「夢の技術」がいくつかある。
そのうちの一つが「人口光合成」である。無尽蔵の太陽光エネルギーによって、水と二酸化炭素から水素や有機化合物などを作り出す、夢のような技術だ。この夢を実現すべく、産学官連携のもと、実用化を視野に入れた研究開発が行われている。
2011年に豊田中央研究所は世界で初めて、水と二酸化炭素と太陽光のみを用いた人工光合成に成功。2012年にパナソニックは窒化物半導体を利用した人工光合成システムを発表。2014年、東芝が変換効率1.5%という世界最高の変換効率を達成する材料を開発。2015年大阪市立大などの研究チームが、「人工光合成」の技術を使い、酢酸から自動車の燃料になるエタノールを作り出すことに成功。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2014-2021年度計画で技術開発を進めている。光触媒で水を分解して得た水素を、工場や火力発電所から排出される二酸化炭素と合成触媒で反応させてオレフィンを生成し、プラスチック等の原料とする。
人口光合成は将来、化石資源依存から脱却する可能性のある「夢の技術」という。夢ではなく現実になることをぜひ期待したい。
○…年末年始に年賀状にかける時間的、心理的余裕がなく、年賀状を書かなくなって久しい。また今年の新年は、近所の神社への初もうでもしなかった。外が寒かったこともあったが、とにかく年始ぐらいは何もしないでゆっくりしたかった。そういう訳で今年の元日は、大好物の雑煮を頂いただけで、他には正月らしさの殆ど無い、普通のゆっくりした休日となった。
今はメールやSNSで知人や親戚とも常に繋がっている。ネットを介して新年の挨拶をするか、ハガキを介してするか、の違い程度しかない。それに対していちゃもんをつける人もいるかもしれない。しかし、そもそもハガキで年賀状というのも当初は違和感をもって受け止められていたという。明治6年にハガキを初めて発行した際には、カードを二つ折りにして内側に通信文を書く形式だったそうで、やはり文書が人の目に触れることに、相当、抵抗があったようだ。ハガキという形式そのものが、今のeメールのような存在だったというわけだ。
その後ハガキで年賀状を出すのが一般化するのは戦後のこと。その後年賀はがきが急速に増加。そのためのアルバイトも必要になる。また、郵便配達が大量の年賀ハガキの販売ノルマを課せられていることが問題となった。そろそろ新しい形にしてもよいのでは?
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