○…2020年が近づくとともに東京オリンピック・パラリンピック狂騒曲が高まっていくような気がしてならない。ある工事事業に携わる一人親方である友人は、「とにかく目の回るような忙しさで休みもほとんどない」という。膨大な施設整備費が費やされるとともに、資材高騰、人件費の高騰、人手不足が顕著であるらしい。
まあ、一流のアスリートによる競技を目の前で見ることができる、経済効果も史上空前の開催費用を十分におぎなって余りある、といわれれば口を閉じざるを得ない。
だが、その弊害というか、余波は思わざる分野に影響を及ぼす。その一例がある。千葉県市川市は11月末に、計画している次期クリーンセンター整備・運営事業について延期を発表した。「現クリーンセンターは1994年の稼働から約24年が経過し、老朽化が進んでいることから2024年度の本格稼働を目指して建設計画を進めて参りましたが、2020年東京オリンピック・パラリンピックなどの影響により建設業界の需要増加等の要因により建設費が高騰している状況であります。このことから、2020年東京オリンピック・パラリンピック終了まで事業を一旦延期し、建設費の動向について注視することと致しました」という。どうやらその建設費は計画を約100億円上回るという。オリンピック開催で、我々の生活に悪影響も十分あり得る?
○…先日、テレビを見ていたらドローンで3Dレーザースキャナを使って、遺跡の全体構造を明らかにするというのがあった。ドローンだけでなく、ハンディ3Dレーザースキャナも使って、地下構造を3次元データ化していた。
3Dプリンターで建物も建ってしまう時代になっている。某エンジニアリング会社の方が「いずれプラント建設も3Dプリンターで作られるようになるのではないか」と話しておられたが、あながち夢物語という訳でもなさそうだ。近い将来、プラント建設現場に大型の3Dプリンターが持ち込まれているかもしれない。
今でも建設現場にタブレットを導入して、建設工事の効率化を図る試みは行われている。これも、スマートゴーグルを活用することで、設計データ画面をハンズフリーで確認しながらの作業が可能となるかもしれない。あるいは「プロジェクションマッピングで現場に設計図を投影しながら作業できるようにしたい」という考えも聞かれるようになった。
設計部門は高性能マシンや高価なアプリが次々導入されるのに対して、これまで建設工事の現場では、さほど効率化が進められてこなかった。今後の効率化投資は、現場優先へと変化していくかも知れない。強いエンジニアリング会社は、そこに力を入れていく会社なのかもしれない。
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