○…テニスの全米オープン女子シングルスで大坂なおみが初優勝した。毅然としたプレー、相手への敬意、インタビューの謙虚な様子などに多くの人が魅了された様子は何度も報道されている。あらためてここで取り上げなくても、と思うが、話はそれではない。
国内スポーツ界だ。目を覆うばかりの不祥事が相次いで伝えられている。アメリカンフットボールに始まり、レスリング、アマチュアボクシング、バスケットボール、体操と続いた。何でこんなに次から次に不祥事が露わになるのか、どこにその原因があるのか。それこそ、まだ問題になっていないスポーツ団体がいくつもあるような気がしてならない。
暴力指導やら、パワハラやら、セクハラのみならず試合の判定まで疑惑が生じている。日本ボクシング連盟の“奈良判定”、体操でいえば、“塚原判定”である。自分の教え子を有利にと審判に影響を及ぼした疑惑だ。こうなるともうフェアなスポーツ競技など望むべくもない。
東京オリンピックが云々などと言っていられない。ある競技でも、だいぶ前のことだが国体を主催するある県の責任者が自分の県に有利に判定するよう審判団に働きかけようとした。勝利至上主義が行きついた先がそれである。
○…最近のテレビで違和感を覚えたのが「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)」のCM。「タバコのCMって放送していいんだっけ?」と思ったのだ。
振り返ってみれば、あれだけタバコのスポンサーが多かったフォーミュラ1から、すべてのタバコが消えた。新幹線は多くの車両でタバコが吸えたが、今では全面禁煙。テレビドラマでさえ、タバコの投げ捨てはもちろん、タバコを吸うシーンも見られなくなった。東京では、従業員を雇っている飲食店は例外なく禁煙とする条例が成立している。
これほど社会からディスられてきたタバコの会社が、製品の紹介ではなく会社の紹介のみとしてもテレビで堂々とCMが流されているということに違和感を覚えたのである。だが、ちょっとネットで調べてみると、タバコのCMは別に法律で禁止されているわけではなく、単なる自主規制に過ぎない。タバコの紹介すらしないCMを放送してもOKのようではある。
学生時代からヘビースモーカーであった自分も、もう10数年前に禁煙して以来、1本も吸っていない。喫煙者のタバコへの愛着はわかるし、肩身が狭い気持ちも解る。
だが、喫煙を誘導する効果を持つ、テレビでのタバコのCMはやはり好ましいとは思えないのである。 |