○…最近「通勤費節約のために、仕方なく路線を変えて遠回りした結果、電車への乗車時間も倍になった」という友人と話した。通勤ラッシュの厳しさを十分知っているだけに、「気の毒だなぁ!」と思う反面、世知辛い世の中、それくくらいは辛抱しなければと思っている。
そういえば彼が利用している路線と言えば、最近、電車の「女性専用車両」について抗議する男性と乗客の女性によるトラブルが大きく報じられた地下鉄路線である。このようなトラブルは全国で相次いでいるらしい。女性専用車両に抗議する男性は「逆差別だ」として同車両に乗り込もうとして、車内にいる女性客らともみ合いになるケースが多いようである。もちろん私自身は「痴漢被害」にあったことがないので、「女性専用車両」の必要性にそれほど関心がないのだが、「逆差別」と主張する男性もどうかと思う。そういう解決法ではなく、根本の解決法を模索すべきだと思う。
話は戻るが、路線を変えたその知人は後期高齢者だ。しかも、国の難病指定の患者でもあるが、外見では分らない。その彼が言う。体がきついのでもしかしてと思って「優先席」近くにいく。でも明らかにその席を必要としていそうな他の「老人」「妊婦」などに席を譲る可能性が殆どないのは若い女性だと分ったそうである。
○…今回の水害に際して「インフラを構築してきた時代に、ダムや堤防をたくさん作ってくれてて良かった」という内容のツィートをみて、複雑な気持ちになった。実は水害においてダムや堤防は必ずしも被害を軽減するものではないからだ。
過去数年の水害を見ていても、堤防を一部切り崩していたために、そこから堤防が決壊し、広範囲にわたる浸水が発生してしまったことがある。このときは堤防の一部が民間事業用に削られていたために弱い部分から決壊したのだが、実はスーパー堤防でも電車を通すための切り欠き部分があり、ここが弱点となりかねないのである。
またダムに関して言えば、今回水害が発生した一部地域の上流ダムでは、ダムを守るために流入水量以上の水を放流していた。従って、水害を拡大させた可能性が指摘されている。ダムは一定以上の水を貯められないし、年々堆砂によって貯水量が減っていく。最終的には全く貯水能力が無くなったダムもある。そもそもダムは山間に降った雨からの水害にはある程度効果はあるが、ゲリラ豪雨のような都市型の水害には効果が無い。ダムに頼るのは、かえって危険でしかない。近年の洪水は都市型が増えているので、治水にはダムではなく、大規模地下調節池や都市排水機能の強化を進めていかなければならない。 |