○…「世界の海がプラスチック製品で汚染されている。このままでは今から30年後には魚よりも量的に多くなる」と警告する人もいる。
EUは2018年1月16日、プラスチックごみに対処するための新たな政策大綱を発表した。2030年までに全てのプラスチックごみをリサイクルする状態を目指すという。現状では、プラスチックごみは年間2,500万トン発生し、30%しかリサイクルされていない。プラスチックごみの60%を占めるプラスチック・パッケージの使い捨てを減らすことや、マイクロビーズの使用禁止も模索するという。
EUの政策骨子は、「リサイクルビジネスの収益性向上」「プラスチックごみの削減」「プラスチックごみの海洋投棄削減」「イノベーションへの投資」「EU域外への政策拡大」などだ。具体的には、リサイクル産業へのテコ入れでは、パッケージに新規制を導入し、リサイクル可能なプラスチック部分を増やし、またリサイクルされたプラスチック素材の需要を増やす。これにより1トン当たり100ユーロ程度の費用抑制が見込まれ、その分リサイクル業界の収益性が向上するという。
振り返ってみると、わが国ではこの問題に真剣に取り組んでいるとも思えない。スーパーなどのレジ袋が日本中に溢れかえる日が来るかもしれない。
○…トランプ大統領がしきりに「フェイクニュース」と言うので、一般にこの言葉が広まってしまった。大統領が自分に都合悪いものをフェイクニュースで片づけようとするのは、単なる印象操作に過ぎないが、実際にフェイクニュースと言えばネット上では実にフェイクなネタが多い。特に多いフェイクが、いわゆるネトウヨ的なネタである。
一時期流行った「水源林を中国人が買ってしまい、水利権が奪われる」というものもその一つだ。実際のところ、水源林を買ったぐらいで水利権が奪われるということは法的にはあり得ない。
実はこれ「原野商法」と呼ばれる詐欺に使われた「水源林を外国人が買ってくれる」という話が曲解されたもの、と言える。水源林というのは、所有者が勝手に開発することはままならず、むしろ水源林の保護が求められる。そのため、資産としての価値は低く、土地を相続したくない、売れるものなら売りたいという心理に付け込んだものだ。
「中国人が水利権を狙っている」というのは一時期自治体や国会でも問題視されたのだが、外国人の水源林保有比率は低く、その実害は報告されていない。むしろ詐欺の被害の方がよっぽど深刻で、最近再び被害が増えているらしい。
この話のように、ことさら中国や韓国を悪者にする話はフェイクなものが多いので、ご注意を。 |