○…この原稿を書いている2月9日に「平昌オリンピック」の開会式が行われる。いまや、国際政治の舞台とも化したオリンピックの様相を呈している。これまで何回となく繰り返されてきた政治利用だ。
気になるのは「日本の獲得するメダルの数」である。これまで夏、冬オリンピックが開催されるたびに、日本は金が何個、銀が何個…、と大騒ぎである。メダル、入賞を逃した選手にとってもそれぞれに感動的なことがあり、スポーツ選手として自分を誇れる機会であったかも知れないが、報道されることもなく、評価されないということもあったかも知れない。
そこで「天邪鬼だ」と友人から言われる私は、日本がメダルをいくつ取ろうが関係ないふりを装っている。しかし、「この人が好成績を収めて良かった」と思う場面は幾度となくある。ただ、日本のためにメダルを取るという意識が過剰な選手には好感が持てないだけだ。
「オリンピズムの根本原則」によると、「スポーツを行うことは人権の一つ。すべての個人はいかなる種類の差別もなく、オリンピック精神によりスポーツを行う機会を与えられなければならず…」とある。「国・地域」でなく「民族」でもなく、「個人」なのである。せめて2020年の東京オリンピックではメダル競争だけは避けて貰いたい。
○…仮想通貨と言えばビットコインぐらいしか知らなかったので、コインチェック社が仮想通貨「ネム」で不正アクセスを受けて580億円が消失した件は、いま一つピンとこなかった。この件はサイバー犯罪なのでやった犯人が最も悪い。とはいえコインチェック側のセキュリティの甘さも問題。後で知ったが、仮想通貨関連のサイトでは、コインチェックは解かりやすいので、仮想通貨初心者向けの取引会社とて紹介されていた。入門のハードルが低いのは良いが、セキュリティも低かったという訳で、「億り人(おくりびと)」を目指した多くの人が、むしろ(どっかに金を)送られてしまったという、あまり笑えない笑い話となった。
それはともかく、この件で仮想通貨が全面安となって、120万円にまで達していたビットコインの価格は一時60万円台まで急落した。もう少し下がるかも知れないので、そのうち余裕ができたらお小遣い程度で買ってみようかとか考えているうちに、さっさと底値を脱して、全ての仮想通貨が反発、値上がりしている。ビットコインももうすぐ90万円まで戻りそうな勢いだ。
今回流出してしまった「ネム」ですら、大きく値を上げてきている。仮想通貨で稼ぐなら、おそらく今がチャンスなのだろうが、最初の一歩が踏めないあたりが、お金に縁がない理由か。 |