○…考えてみると恐ろしい光景だ。飲み会の最中に、同席者同士による暴行で一人が頭部に裂傷を負ってしまう。相当な流血があったと思われる。通常であれば、その場に居た誰かが、すぐに救急車を呼ぶような状況であるにも関わらず、救急車も警察も呼ばない。しかも碌に手当もせず、そのまま怪我人は車に乗って宿舎に帰り、残ったものはその後ラーメンを食べに行ったという。何もなかったかの如く。さらに、なんと怪我を負わされた方が暴行した人に「謝罪」をする羽目になっている。
目の前で暴行が行われ、怪我人が発生しているのに、誰一人として常識的な行動をしていない。むしろ、「やられた方が悪い」と言わんばかりである。正直、一般的な社会人の常識から逸脱している。まるで各地で発生した少年同士のリンチ事件と同じような印象だ。リーダー格の気に入らない人間は暴力を受けても仕方がない、と周囲が認識している時点で、組織的力学は完全に一致していると言える。この世界で、暴力に対する認識が変わっていないことを示している。
さらに怖いのは、ここに同席しつつ、何も誠実な行動をしなかった人の中に学校関係者が入っていることだ。暴力を容認するかのような指導者がいて、この学校は本当に大丈夫なのだろうか?これでは暴力の根絶など、遠い話のように思える。
○…「エンジニアリング業界は、ちょっと元気がないんじゃないでしょうか?」。最近、こういって来る人が何人かいた。確かに、数字的に見れば絶好調という訳ではない。受注はなかなか伸びていないし、利益率も下がってきている。ただ、自分の実感としてそれほど「元気がない」という印象を持っていないので、ちょっと返答に困ってしまう。
しかし考えてみればこの1〜2年、プラント業界はマイナスの話が多かった。海外の大型工事で採算悪化し、赤字化した案件が続いた。今期でもさらに、採算悪化案件が発生しているので、確かに「調子悪い」と見られてもおかしくはない状況ではある。
ただこれらの不採算案件についても、損失引当はほぼ完了している。工事はまだ続いており、今後も追加費用の発生の可能性も無いことは無いが、悪い時期のピークは超えつつあるように感じている。今年に関して言えば、本号の記事内でも紹介したように大型の案件が動き出すことが期待されている。石油価格も安定的なので、投資再開に向けた動きは活発化してきた。これまではあまり良い話が聞かれてこなかったが、今年は受注も拡大するのではないか、という期待感が広がっているのが肌で感じられるようになっている。
新しい年を迎え、この皮膚感覚が現実のものとなって行くように願う。 |