○…今年もあますところ1カ月半となった。2018年は目前である。「2018年問題」というものはいくつかあるらしいが、そのうちの一つが、2018年から大学受験者数が減少に転じるという問題だ。
その問題とは、「1992年代以降は、18歳人口は下がり続けていたものの、2009年頃までは大学進学率が伸び続けていたため、18歳人口が減少しようとも、大学進学者の人数は増え続けており、進学希望者の「大学全入時期」となっていた。そして18歳人口は、2009年から2017年頃までは、ほぼ横ばいの状況が続く。しかし、2018年以降の大学進学者数は18歳人口の減少とともに下がるであろうというのが2018年問題」だそうである。2016年現在で定員割れが全体の4割にのぼる多数の私立大学が閉学等の激変期を迎える大学経営上の問題であるという。
そして「学力は中学レベル…大学教育、崩壊の実態、想像を絶する学生と教員の質劣化」という問題提起もある。去年の10月にはForeign Affairs が、今年の3月にはNature がいずれも「なぜ日本の大学教育はこれほど劣化したのか?」について特集を組んだそうである。日本の大学教育の全面的な破綻について「研究」している。
さまざまな原因が考えられる。その原因を放置すればますます日本の教育は劣化する。
○…失業率というのはハローワークでの求人数と相談者数の割合で計算されている。しかしこの方法による失業率の数値で景況を直接判断できるかというと、それには疑問を投げかけざるを得ない。
まず第一にハローワークに限定されているので、リクルート出版などの求人誌を利用している人はカウントされないのである。失業保険を受給するさいには必ず相談しなければならないが、希望する職種がハローワークになければ、その求人を利用することは無い。
次に、ハローワークの求人は実に質が悪い。福利厚生が充実しているかのように見えても、それが実行されているかどうかはハローワークは保証しない。また求人の多くは給料が低くて、生活を維持できるレベルにない場合も多い。そういうことを考えると、ハローワークでの求人は躊躇せざるを得ない、ということもある。
さらには、カラ求人も結構あると言われている。ハローワークの相談員自身、正規雇用ではなく臨時雇用である場合も多く、求人を取ってくることで成績あげないといけないのでカラ求人も増えてしまう。
そういう状況なので、失業率が1を超えたからといって、景況が好転したとは言い切れない。むしろ質の悪い求人が増えているのかもしれない。 |