○…第3次安倍第3次改造内閣がスタートした。気になる点が数点ある。
首相は「仕事人内閣」と自ら命名したようであるが、「仕事人」という言葉が適切なのかどうか。ベテランの職人さんを「仕事師」というが、「仕事人」という言葉はあまり聞かない。これを使った例は、時代劇ドラマ「必殺仕事人」以外に思い浮かばない。ドラマでは庶民のこの世の恨みを晴らすために金銭を受け取って巨悪を葬るというのが、仕事人の役割りだ。自らが庶民に恨みをばらまく巨悪になっては決してならないと自覚した命名か?。
「人づくり革命」も標榜しているが、これもよく解らない。「人づくり革命」担当相もおかれたようであるが、言葉から受ける印象は、人を「つくってやる」という上から目線のような気がしてならない。
そして何かと話題の「地方創生」担当相である。「地方」とは何ぞや。国交省は三大都市圏以外を地方圏と定義しているようだ。広辞苑には「地方」の説明に「いなか」とも書かれている。「地方」という言葉に誤った特権意識、勝手な思い込みはないだろうか。第二次世界大戦までの旧日本軍の軍人たちは、軍以外の一般社会を「地方」、一般の人々を「地方人」などと称していたそうである。地域を創生する表現として他に相応しい言葉はないものか。
○…「サブカルチャー」とは「ある文化の、支配的・中心的文化ではなく、一部の人々を担い手にする文化」だという。あくまでメイン・カルチャーではないということである。
日本のサブカルチャーといえば、秋葉原に代表されるアニメオタクやゲームオタクである。ただ最近ではアニメやゲームは日本のカルチャーの中心になりつつあるように思う。政府が進める「クールジャパン」にもアニメは積極的に採り入れられ、地方を舞台にしたアニメのファンが押し寄せる経済効果もあることから、各地でアニメに乗った、地域活性化も多く見られるようになった。
最近はやりの来日外国人にインタビューするTV番組でも、日本に興味を持つきっかけが日本のマンガやアニメという話が多い。既にアニメは日本のサブカルチャーからメインカルチャーに昇格したようだ。
ところで先日、秋葉原の中華料理屋で昼食をとっていたら、隣席の若いサラリーマン二人連れが、延々とゲームの話を続けていた。その内容がびっくりするほどつまんない話だったうえ、とても大きな声でずっと聞かせられるので、苦痛であった。しかし、それも自分がその世界に入っていないからだろう。ゲームの世界に乗り切れていない自分こそが、サブカルチャーの側に追いやられているような気もする。 |