○…夏休みが近づいた。子供の頃の思い出といえば、夏休み期間中に毎年行った両親の故郷のことが圧倒的に多い。約1か月間、まるまると田舎を体験した。旧盆を中心とした行事が思い出深い。現代の子供も約一カ月以上にも及ぶ夏休みを楽しみにしていると思う。
ところが最近、夏休みを大幅に短縮する動きが出ているという。静岡県吉田町では、「来年から夏休みを十日間にする」計画があり、実施されるようだ。さぞかし、子どもたちは嘆いているだろうと想像する。
けれど、この夏休み短縮の理由にも納得できる。教師の通常業務の負担軽減だそうである。文部科学省の実態調査によると、小中学校の先生の平日の勤務時間を平均すると11時間を超えるというのだ。想像するに部活動の指導、授業、会議など休む間もないのではなかろうか。それでいて残業代もつかないという。ブラック企業も真青だ。
生徒の夏休み短縮は、この教師の平日勤務時間の負担を減らすために計画されているという。そういえば、夏休みであるからといって先生も休めることにはなっていないようだ。
子供たちのことを考えると、貴重な夏休みを短縮することへの賛成を躊躇する。一方、先生の負担を考えると、短縮も止むを得ないか。なかなか悩ましい問題だ。
○…学生時代、周囲に障害者が何人かいる中で過ごしていたので、社会のあちこちにある障壁(バリヤ)には、色々と考えることも多い。
バニラエアが車いすの男性の飛行機への搭乗を断ろうとし、男性が自力でタラップを這い上がったという話があった。バニラエアは交通インフラであるので、障害者が使用できないというのは言語道断である。社会は健常者のためだけにあるのではない。障害者も健常者と同様に自由に行動できるよう、インフラは常に対応を続けていかなければならない。それによってはじめて健常者も安心で快適な社会とすることが出来る。
今回、問題が注目されたことで、バニラエアは即座に対応した。問題はあったにせよ、この対応は賞賛すべきで、他の路線でも順次対応を進めてもらいたい。
しかしこの件で本当に問題だったのは、一部の一般人が車いす男性を「クレーマー」と貶めたことだ。曰く「事前に障害があると連絡しなかったのが悪い」「なぜLCCではなくANAやJALを使わないのか」「クレームをつけるのが目的だったのでは」などの目を覆いたくなるバッシングが広がった。これらは全て間違いである。障害者が声を上げなければインフラ側は変わろうとしてこなかったのが実態だからだ。声を上げなければ改善されないのに。声を上げたものをバッシングする。嫌な国になったものだ。 |