○…先日、泉田前新潟県知事の話を伺う機会を得た。何故知事選への出馬を断念したか、からはじまって原子力災害時の避難についての話など、色々な話をされた。一応、オフレコなのだが、特に避難に関する話は印象に残った。
原発災害の際、ヨウ素剤を各戸に配る必要がある。しかも、ヨウ素剤は被爆前に飲んでおかなければならない。少なくとも原発災害後2〜3時間の間に服用する必要がある。が、「誰が配るのか」「そもそも輸送できるのか」という問題がある。
また住民を避難させるのも大変な問題であり、チュルノブイリでは延べ4,000台のバスで住民を避難させた。しかし柏崎刈羽が災害を起こした場合、44万人が避難することになり、1万数千台のバスが必要となる。しかも運転手を確保しなければならない。何処にもリソースが無い。さらにチュルノブイリでは軍人に化学防護体制でバスを運転させたが、日本では「誰に命令できるのか」。さらに地震で道路が寸断されたり、渋滞が発生していれば、車での避難も出来ない。「自衛隊でも不可能だと言われた」という。
屋内退避も危険だ。放射性物質が降下する中では屋外と対して変わらないうえ、地震では屋内退避していると、余震で建物が倒壊し圧死してしまう。「県としても解が無い」とため息をついていた。
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