○…少子高齢化が加速しているなかで、将来を担う子どもたちは社会から手厚く扱われているはずだ、と思っていた。ところが、日本の貧困児童数は増加傾向にあるというのだ。将来の日本を担うべき子どもを、社会全体で育んで行かなければならない状況の中で、いつまでもこんなことが続いていては、日本という国の将来は危ういと言わざるを得ない。
あるデータによると「日本の17歳以下の貧困児童の数は、いまや350万人に上る。これは同年代の児童総数の16.7パーセントに当たる」という。このまま問題を放置しておくと、貧困児童の割合はこれから更に高まっていくだろう。貧困の定義は色々あるが、この数字はOECDのそれを前提にしたもの。OECDは、平均所得の半分以下の所得水準にある世帯を貧困世帯としている。これだと、相対的な貧困ということになるが、古典的な意味での絶対的な貧困が増えているのが最近の特徴だという。絶対的な貧困に陥ると、親は子どもにろくに食べさせてやれなくなる。その結果腹を減らしたまま寝なければならない子どもが増えているという。この1・2年の間に、貧困な子どもを対象に食事サービスを実施する施設が増えている。子どもを対象とした食事サービスは、そうした子どもたちにとって最後の命綱の役割を果たしているという現実がある。
○…昨年の邦画市場は「君の名は」「この世界の片隅に」「聲の形」とアニメ映画のヒットが続いた。「シン・ゴジラ」はCG+実写だが、監督があの「エヴァンゲリオン」の監督なので、これもジャパニメーション作品として加えることができるだろう。日本のアニメは今や世界中に配信されている一大産業となった。最新のTVアニメでさえ、放送された日のうちにネットで世界に拡散されるようになっているほどだ。
自分は、初期のアニメおたく世代でもある。手塚作品をはじめ、様々なアニメを見て育ってきた。初回放送時に視聴率が振るわなかったと言われる「ガンダム」を、当時から高く評価してたのも我々世代であり、今でもアニメは良く見る。なので、日本のアニメがこれほどまで受け入れられているのは、正直うれしい。
だが最初に挙げたアニメ映画を、自分はどれも見ていない。そもそも映画館という閉塞空間が苦手ということもあるが、どの映画にも、これまで繰り返されてきたストーリーやテーマそのままで、新しさをあまり感じないのに、評価が高すぎるように思う。
その一方、TVの深夜枠で放送されている「昭和元禄落語心中」は声優が落語家に弟子入りしてまで作ったという、製作の意気込みを感じさせる傑作で、見てると寄席に行ってみたくなる。 |