EnB 16号 目次
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石炭のジレンマ

■REPORT
地上も開く千代田の宇宙事業

■GLOBAL Business
・TechnipとMetabolic Explorer、ポリマー技術で提携
…BTLとFPOプロセスで排他的協業
・SIMON CARVESが三井造船グループに
・Emerson、Pentirのバルブ&制御事業買収
・Jacobs、Bayerの硫酸技術を買収

■TOPICS
日サ協力案件11件でMOU

拡がりを見せるP2M-「PMシンポジウム2016」

セキュリティと海外展開を強化-経産省概算要求

■Projects News
…出光〜FPC、台湾で樹脂のJV
…三菱商事、サハリンにメタノールプラント
…米高速鉄道のFSで日本政府が200万ドル
…イラン、原油回収率増強で6.45億ドル投資へ
…AkzoNobel、インドに塗料プラント
…Emerson、Totalと10年契約
…Eni、ガス処理プラントで契約
…Technip、バイオ・イソブタンプラントでFEED
…GE Oil&Gas、ONGCと合意
…GE、タイの水力発電向けに機器受注
…S-Oil、蔚山製油所の静電分離装置発注
…Jacobs、Pfizerの中国バイオ技術センター受注
…SinpoecEng等、Al-Zour製油所受注
…Davis製油所で技術ライセンス
…Poyry、バイオマスCHP受注
…米Colstrip石炭火力、CO2削減に12億ドル必要
…SABIC、中国の石炭化学で認可取得
…Sadara、Jubailのクラッカーを完成
…Sasol、Lake Charlesでコスト上昇
…中国とカザフのJVが肥料ハブを計画
…SNC-Lavalin、モザンビークでグラファイトPJ
…Sonangol、製油所計画を中断
…Wood Gpoup、カザフでMAC

■NEWS Flash
・丸紅、ナイジェリアの複合火力でMOU
・東芝、アフリカの電力設備でMOU
・MHPS等、インドネシアでGTCC受注
・Hitz、中国でごみ焼却発電プラント
・東芝、中国向け揚水発電が運転開始
・エンジ業界の2015年度受注は7.8%減-ENAA白書
…NEC、PT Telkomから光海底ケーブル受注
…日立製作所、低風速で発電量高い風力発電を開発
…東芝、ドローンで電力インフラ点検サービス
…横河、バイオマス発電で設備保全管理システム
…Hitz、SOFCで発電効率50%以上を達成
…Hitz、食品工場で充填・包装ライン納入
…三井造船、北都銀行と再エネで基本協定

■Procurement
・三菱電機、海外向けモータコントロールセンタ
・日立、業界最小サイズの高圧ダイレクトインバーター
・横河電機、統合機器管理ソフトウエアパッケージ

■Environmental
・浅川清流組合、新可燃ごみ処理施設落札者に日立造船
・湖北広域センター、新ごみ施設の用地公募
・南越清掃組合、新ごみ処理施設整備の実施方針
・JFEエンジ、横浜市とPFI汚泥処理で事業締結

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 16号 表紙

 

EYE
●石炭のジレンマ

 9月5日のクリーンコールデーも、今年で25年目となった。そして今年は世界石炭協会会長もこれに合わせて来日された。日本語を使う人以外には、何でこの日がクリーンコールの日なのかはおそらく分からないだろうが、世界的になってきているのは評価できる。
 現在、石炭ほど嫌われているエネルギー資源もない。米国ではシェールガス革命と再エネの拡大で石炭はコスト的に有利ではなくなってきている。その分、欧州に石炭が米国から流れているようだが、欧州でも石炭火力はCO2排出量の面から、投資は歓迎されず、一部の国に新規計画があるのみにとどまっている。昨年のパリ協定により、CO2排出量の多い石炭はますます肩身が狭くなり、OECDでは来年以後、石炭火力へのファイナンスに強い制限が課せられることになっている。
 しかしその一方で石炭は、引き続き有力なエネルギー資源であり続けている。特に東南アジアでは、石炭産出国も多く、安価な燃料を使った石炭火力発電で、経済成長に伴う急速な電力需要の拡大に対応しなければならない国も多い。再生可能エネルギーは運営費こそ安いものの、大規模な電力需要の拡大には間に合わない。供給力と経済性を併せ持ったエネルギー資源は石炭だけなのである。
 また電力だけではなく、石炭化学もまた、再び脚光を浴びようとしており、中国とサウジアラビアの共同事業として、中国に石炭化学コンプレックスも建設されようとしている。
 世界石炭協会によると、石炭の需要は今後も増加を続けていき、少なくとも2040年までは主要なエネルギー資源の一つであり続けるという。特にインドでは石炭火力は今後2倍以上に拡大するという。こうなると、気候変動対応の面からは既存技術である超々臨界圧ぐらいでは間に合わない。一刻も早くCO2回収・利用・貯蔵技術(CCUS)を実現させていかなくてはならないのだが、石炭が嫌われているからか、世界ではなかなかクリーンコール技術開発にお金がつかないのが現実だ。

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EDITORAL
●編集後記

○…実は、わが社のすぐ近くに「日活」本社がある。日活映画といえば石原裕次郎に代表される青春映画が思い出される。そして「日活ロマンポルノ」である。その日活が有楽町の一等地からわが社近くの文京区本郷に本社移転してきたときは驚いた。斜陽産業ここに極まわれりか、と感じたものである。その日活ロマンポルノが今年秋に復活するという。
 「芸術的ポルノ」を標榜していた「ロマンポルノ」が衰退した原因は、より過激なアダルトビデオなどの普及によるものだろうと想像する。しかし、第一弾「団地妻昼下りの情事」(西村昭五郎監督、白川和子主演)は衝撃的であった。その第一弾に始まる日活ロマンポルノは、多くの名監督、俳優を輩出した。監督で言えば、「ポルノ、ピンク出身の巨匠」であり、先駆的存在である神代辰巳をはじめ、田中登、曽根中生、相米慎二、根岸吉太郎がいる。俳優では宮下順子、伊佐山ひろ子、蟹江敬三、風間杜夫らを輩出している。
 その「日活ロマンポルノ」が今年秋、28年振りに5作品を出す。AVがあふれかえる時代に、あえて5監督が新作を順次公開するそうである。いずれの監督も「ロマンポルノ」初挑戦であるという。新たな視点でのロマンポルノ作品に期待する。新たな俳優も育つかもしれない。

○…先日の台風で西武多摩湖線が脱線した。怪我人が居なかったのが不幸中の幸いであるが、暫くは不通状態が続いた。東村山市の出身であるので、電車が脱線したあたりの事も良く知っている。ちょうど、多摩湖畔の公園と住宅地の境界を走る線路であり、特に脱線した部分は丘陵を拓いた谷間部分を通っている。夏場にそこは、線路両側の法面が草に覆われる。事故時の写真を見ても、一面の緑に覆われたように見えており、東京であるにも関わらず、深い山あいを走っているように見える。
 実際、脱線事故の写真を見て、台湾などでは「何と美しい場所だ」「是非、行ってみたい」とSNSで評判になったという。これに対して東村山市長は「結構大変なんですけどね」と当事者の苦悩を見せた。実際、沿線住民はしばらく足を奪われ、動いてる駅まで毎朝、自転車を使うなど苦労されたようで、臨時の駐輪場も必要になったという。確かにそれどころでは無かっただろう。ただそこは、単純に故郷の美しさが称えられたと思いたい。
 既に路線は復旧していることもあり、今後海外からの観光客も来るかもしれない。ただ、多摩湖線であのような美しい風景を走るのは、ほんの一瞬だけなのだ。遠くから来る人はさぞかしガッカリすることだろう、と心配している。

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