EnB 13号 目次
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公共事業で対話を怠るな

■REPORT
不確定要素含む国内電力計画

■REPORT
電力システム改革とプラントビジネス 第4回
プラットフォームとその利用、それぞれの戦略を考える
ENCORED マーケティング本部長/ジャーナリスト 本橋恵一氏

■GLOBAL Business
・ShellとBentley、新PJ管理システム構築へ
・ExxonMobilとAramco、原油から直接オレフィン生産
・EESLとTERI、戦略的パートナーシップ
…Endress+Hauser、製造設備を増強
…Ormat、地熱発電会社を買収
…Clariant、“Carbon2Chem”に参画

■TOPICS
産総研、初の研究開発戦略を策定

■Projects News
…マンダレー市で廃棄物発電入札へ
…アルゼンチン原発計画で中国と協業
…バングラデシュ、原発計画で立地許可
…AramcoとSabic、石油・石化プラントで協業へ
…サウジアラビア全土にガスパイプライン
…Aramco、ベトナム製油所計画から撤退
…BASF、中国に肥料技術供与
…Chevron、Tengiz拡張PJを推進へ
…中国Hanqiu JV、インドの肥料PJでMOU
…ZeoGas、テキサスでメタノールプラント検討
…Indian Oil、石油・石化計画でJVへ
…印Essar、パイプラインのリプレースを受注
…Georgia Power、新原発建設を検討
…Jacobs、エジプトのPVCプラント受注
…Lahmeyer、インドネシアの発電PJをサポート
…Lukoil、AramcoとのJVを中止
…KT-Kinetics、Petro RabighからEPC受注
…米Davis製油所が進展
…RosneftとSinopec、東シベリアのPJで協業へ
…Aecon JV、米原発改修工事受注
…AFW、石炭灰処理設備を受注
…AFW、スペインでガス処理設備のリバンプ受注
…SNC-Lavalin、北米で肥料PJ受注
…JXエネルギー、川崎でPIB増強へ
…三井化学、高機能不織布を増強
…日立の英国原発計画に原電が参加

■NEWS Flash
・タングーLNG第3系列でFID
・日揮、フィリピンのICFB石炭火力受注
・MHPS、シンガポール向けSTG受注
・千代田等3社、中東で植物工場を展開へ
・三菱重工、仏EDFと原子力事業でMOU
・Hitz、肥料プラント対応でヒューストンに支店開設
…Hitz、英国で大型ごみ発電プラント受注
…Primetals、中国山東鋼鉄からSWGR受注
…JFEエンジ、宇部興産から蒸気タービン受注
…NSENGI、ベトナムからエアナイフ受注
…日立製作所、イタリア向け鉄道車両受注
…NEDO、水素専焼タービンの先導的研究開発を開始
…IHI、イズミット湾横断橋を完成
…「階段炉による電力創造システム」が新技術T類

■Procurement
・日立、セキュリティマネジメントシステム
・東芝、「見える化・遠隔監視」を迅速に実現
・富士電機、屋外自立型パワーコンの容量系列の拡充

■Environmental
・JFEエンジ、船橋市の南部清掃工場整備・運営を受注
・タクマ、光が丘工場建替えを311億円で受注
・日立造船、尾道市クリーンセンターに先進的設備導入
・大阪市等環境組合、事業者選定支援をパシコンに

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 13号 表紙

 

EYE
●公共事業で対話を怠るな

 11月に築地市場が豊洲に移転する。取引額において世界最大規模と言われ、海外からも観光客を引き寄せている“Tsukiji”ブランドがいよいよ消えようとしている。
 世界最大規模の生鮮市場を引き継ぐ豊洲市場は、敷地面積が40.7haと築地の1.8倍にも拡大。取扱量も築地より、さらに大規模化する。施設はHACCP的な品質管理ができる閉鎖型で高床式の施設となり、品質保持の面でも向上する。また場内運搬車両は、従来のガソリンやLPG、ディーゼル車は使用禁止となり、全車両が室内専用電動車となり、建物外の走行も禁止されるなど、築地市場に比べてより高度な生鮮市場となるとされている。
 ところがその豊洲市場で、最近いくつか問題が出ている。特に注目されているのが、床の耐荷重問題。いくつかの報道によると、床の耐荷重設計が700kg/uであるとされている。通常、物流倉庫の床は1.5t/uで設計されており、その半分程度で設計されているということのようだ。
 これで問題なのは重量2トンを超える築地名物の「ターレー」が使えないどころか、魚介類が入った発砲スチロール容器をある程度床に積み上げただけで荷重を超えてしまう、と指摘されている。豊洲市場が高床式でもあることから「床が抜けるんじゃないか」という不安も出ている。ただ、物流倉庫の1.5t/uはフォークリフトを使うことが前提の設計であり、フォークを使わないのであれば数100kg/uでの設計もある。だが、ターレーは実際には使われるようだ。
 そのほかには、海水使用上の問題がある。これは「海水を使えないので虫が発生する」問題と「(汚染された)海水を使える」という全く相反する問題が指摘されている。また、引っ越し期間がわずか4日間しか設定されていない問題も指摘されているなど、豊洲市場に対しては多くの不満が渦巻いている。
 こうした不満は、東京都と業者とのコミュニケーション不足に起因するものだろう。行政が説明を怠ると、公共事業はうまく進まない。最近そうした事例が増えているようだ。

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EDITORAL
●編集後記

○…先日、テレビを何気なく見ていたら、“イギリスは4つの行政区でなりたっているがどことどこか”という問いかけに正解を答えた日本人のほとんどがサッカーファンだった。これには驚いた。イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドと4つを言えた人はごく少数だったが、殆どがサッカーファンだったのだ。
 英国のEU離脱。歴史的な大事件なのだろうが、その影響するところなど、私などは殆ど理解できていない。いろいろ言う人がいるが、本当に分っているのか、その真偽さえ判断がつかない。
 ただ一つ言えるのは米国のトランプ現象とならんで、ナショナリズムの高まりの結果であろうことと推測されるのだが、どうだろう。かつての大英帝国を夢見る人々、世界の警察国家を自認する米国の繁栄、これら幻像が翳りを見せている、これらに我慢のならない人々が他を排斥する過激な発言を積極的に受け入れているようにも思えるが?
 皮肉なことに、グレート・ブリテンではEU離脱に懐疑的であったスコットランド、北アイルランドが再び独立の火種を温め始めたようだ。
 これまでの大戦をみるまでもなく、過激なナショナリズムの蔓延は世界中に混乱を引き起こす。せめて日本だけでも冷静にと願うが、無理だろうか。

○…EM菌を小中学校で教える、というのでちょっとびっくりしている。
 EMは「有用微生物群」の略称とされているが、それを構成する微生物の特定もなければ、構成比すら特定されておらず、つまり何者だか実態が良くわからない。それでも肥料程度に使うだけなら、問題はなさそうだが、それが「健康に良い」とか「ガソリンに混ぜれば燃費があがる」とまで言い出しているので、怪しい事この上ない。
 しかもEM菌の抗酸化力の源泉を「抗酸化波動」としてたりする。波動が出てきた時点で、それがエセ科学であることがほぼ確定するようなものだ。
 こうした根拠の怪しい言説を公教育が取り入れるのは、これが初めてでもない。「江戸しぐさ」は、江戸時代には実際には定着もしていなかった(明治以後の創作とされている)のは明らかになっているし、一部の教科書には「サムシンググレート」(米国反進化論者の概念)が記述されたりしている。学校教育での、これらのような宗教的信仰に近い(実際、EM菌には宗教団体が絡んでいた)ものが、エビデンスの検証もなく取り入れられていくのは、教育上宜しくない。
 最近、某国会議員が「神武天皇は実在する」と公言し、しかもそれを憲法に反映させたいと言ってのけた。エビデンスの無い話で教育や政治を混乱させないでもらいたい。

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