○…先日、テレビを何気なく見ていたら、“イギリスは4つの行政区でなりたっているがどことどこか”という問いかけに正解を答えた日本人のほとんどがサッカーファンだった。これには驚いた。イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドと4つを言えた人はごく少数だったが、殆どがサッカーファンだったのだ。
英国のEU離脱。歴史的な大事件なのだろうが、その影響するところなど、私などは殆ど理解できていない。いろいろ言う人がいるが、本当に分っているのか、その真偽さえ判断がつかない。
ただ一つ言えるのは米国のトランプ現象とならんで、ナショナリズムの高まりの結果であろうことと推測されるのだが、どうだろう。かつての大英帝国を夢見る人々、世界の警察国家を自認する米国の繁栄、これら幻像が翳りを見せている、これらに我慢のならない人々が他を排斥する過激な発言を積極的に受け入れているようにも思えるが?
皮肉なことに、グレート・ブリテンではEU離脱に懐疑的であったスコットランド、北アイルランドが再び独立の火種を温め始めたようだ。
これまでの大戦をみるまでもなく、過激なナショナリズムの蔓延は世界中に混乱を引き起こす。せめて日本だけでも冷静にと願うが、無理だろうか。
○…EM菌を小中学校で教える、というのでちょっとびっくりしている。
EMは「有用微生物群」の略称とされているが、それを構成する微生物の特定もなければ、構成比すら特定されておらず、つまり何者だか実態が良くわからない。それでも肥料程度に使うだけなら、問題はなさそうだが、それが「健康に良い」とか「ガソリンに混ぜれば燃費があがる」とまで言い出しているので、怪しい事この上ない。
しかもEM菌の抗酸化力の源泉を「抗酸化波動」としてたりする。波動が出てきた時点で、それがエセ科学であることがほぼ確定するようなものだ。
こうした根拠の怪しい言説を公教育が取り入れるのは、これが初めてでもない。「江戸しぐさ」は、江戸時代には実際には定着もしていなかった(明治以後の創作とされている)のは明らかになっているし、一部の教科書には「サムシンググレート」(米国反進化論者の概念)が記述されたりしている。学校教育での、これらのような宗教的信仰に近い(実際、EM菌には宗教団体が絡んでいた)ものが、エビデンスの検証もなく取り入れられていくのは、教育上宜しくない。 最近、某国会議員が「神武天皇は実在する」と公言し、しかもそれを憲法に反映させたいと言ってのけた。エビデンスの無い話で教育や政治を混乱させないでもらいたい。 |