○…「役立たず老人安楽死推進法」を、本当は成立させたいと願っているように思える某国副総理がいる。さる講演会において90歳の老人を話題にあげ「いつまで生きているつもりだ」と発言した報じられたのだ。しかし、彼は「自分には侮辱するつもりなどなかった」と反論した。ではどういうつもりでこんなことを言ったのか、わかりやすい説明はなかったが、どうやら彼は老人一般を非難したわけではなく、老人の中でも社会の役に立っていない者を批判したのだと言いたいようなのだ。例えば講演会で言及した老人にしても、90歳にもなってまだ老後のことを心配している。そんなことを心配するより、持っている金をどんどん使って、消費の拡大に貢献すべきだ。それなのに金を貯めこんで、まだ老後の心配をしている。そんな心配をしているひまがあったら、とっとと死んでもらいたい。そう言いたかったようなのだ。
そういう論法を進めていくと、重度の身体障害者なども社会の役立たずとして彼の非難の対象になるのだろう。そうなるとナチスの「優生思想」が思い起こされる。なるほど、「ナチスの手口を学んだらどうか」と発言したことのある副総理だけのことはある。役立たず老人に限りなく近づいている者としては、もうこんな世に未練はない。冒頭の「……推進法」の成立を願うばかりだ。
○…舛添前都知事が辞任した後、都議会議員が必要性のよくわからないリオデジャネイロオリンピックに大勢の議員が視察に行くという計画を持っていたことが判明。あれだけ舛添前知事の無駄な出張費を議会で非難していた方に今度は批判が集まり、結局この視察旅行は中止となった。問題とならなければ、彼らは豪華出張を楽しんだに違いない。
舛添氏の問題は法律違反ではなく、政治家倫理を問われるものであったが、そこで皆が疑問に思ったのは、何故ああいう行為が法律違反ではないのか、と言う事だ。国民に納税を義務付けておいて、使う側には何に使おうとお咎めがないという理不尽に、都民だけでなく全国民が怒ったのだ。
都議会が豪華出張をするのも、舛添氏が湯河原に公用車で行くのも、その本質には何の変わりもない。所詮は同じ穴の狢。サラリーマンであれば、個人の旅行を経費で落とせる訳がないのだが、政治資金であれば、それは違法でも何でもない。バレた方が悪者になっているだけ。詳しく知るほどにシラけていく。 舛添氏が都知事を辞任するほど悪いのなら、今回問題になったようなケースを「舛添スタンダード」として、全政治家の政治資金の使途をチェックし、さらには政治資金規正法や、役所の税金の使い方まで全てを改めて行くべきだ。 |