EnB 10号 目次
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協業の中でチャンスを

■REPORT
プラント市況は堅調、着実な遂行がカギ-プラント業界の2016年3月期決算

ソリューション化する国内市場

■GLOBAL Business
・Technip、FMCと合併へ
・GE、斗山建設のHRSG事業を買収
…GE、サウジSAIICと30億ドル投資へ
・Aveva、Omnixと業務提携
…Thyssenkrupp、組織再編
…Air LiquidのAirgas買収が実現へ

■TOPICS
2015年度プラント受注、大幅減少

日揮、領域拡大で1兆円目指す

■Projects News
…Fujairah LNG建設工事が無期限延期
…AFW、ケニヤの原油ターミナルでPMC
…アルゼンチンで製油所拡大、近代化計画
…旭硝子、インドネシアのVCMを拡張
…Bechtel、エジプトの製油所に技術供与
…カンボジア石油、CNPC子会社にEPC発注
…米Chemours、HFO冷媒プラント建設へ
…Tecnip、Woodsideからエンジサービス受注
…Formosa、ルイジアナ州で新規クラッカー計画
…ExxonMobil、豪州の製油所を改良へ
…FPL、ターキーポイント原発を4年間据え置き
…ドバイのソーラーパークPJで5社応札
…インドがイランでLNGターミナルを計画
…Indorama、中国のタイヤコード繊維を拡大
…Ineos、Chocolate BayouでLAOプラント
…Jacobs、三菱のフィルム拡張工事受注
…Jacobs、SATORPから2年間のGES受注
…カリフォルニア高速鉄道、4年延期
クラレ、米テキサスのエバール能力を増強へ
…Linde、南アのヘリウムガス田開発で合意
…Lukoil、カザフの潤滑油PJに着工
…Ormat、ニュージーランドの地熱発電受注
…ADNOC、Penspenにエンジサービス
…Petronas、RAPID計画の3プラントで契約
…PTTGC、米クラッカーで来年初頭までにFIDへ
…住友化学、愛媛工場でメチオニン増産
…テキサスでコンデンセートスプリッター
…ハワイで浮体式洋上風力発電計画
…韓国、インドネシアのLRT等受注へ

■NEWS Flash
・英Horizon原発のサプライヤー決定
・三井物産、オマーンIbri Sohar3で調印式
・三菱商事、キャンベラ市LRT事業権を獲得
・HZI、Kompogas技術が伊バイオガス設備で採用
・TOYO、チャンドラアスリの能力増強PJを完了
・NEDO、革新型電池開発“RISINGU”をスタート
…丸紅〜韓Komipo等、Cirebon3 IPPを共同開発
…丸紅、伊Enelとアジアの発電事業を共同開発へ
…JFEエンジ、ヤンゴンで飲料水共同実証を開始
…住友電工、モロッコのCPVプラント運用実証へ
…双日、DFC西線の信号・通信工事受注
…NSENGI、君津製鉄所COGファイナルクーラー完成
…J&Mスチールソリューソンズ、工場拡張を完了
…東芝/大成建設、南相馬市太陽光を受注
…荏原、コロンビアにポンプの拠点

■Procurement
・横河電機、CENTUM VPの機能拡張
・三菱電機エンジ、大電力ワイヤレス電力伝送応用可能
・日立産機システム、高速・高品質印字のマーカー

■Environmental
・千葉市、新清掃工場PFI導入可能性調査の委託先決定
・長野広域連合、B焼却施設整備のアドバイザー公募
・鹿児島市、新南部清掃工場を16年度後半に入札公告
・二十三区清掃組合、目黒工場建替工事を入札公告

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 10号 表紙

 

EYE
●協業の中でチャンスを

 海外企業は今、買収やら企業統合やら協業やら業界再編が盛んに行われている。
 例えばTechnipがFMCとの合併で合意した。これは、石油価格の下落で受注量が大幅に落ち込んだ油・ガス田サービスへの対応という面が大きい。大手の石油サービス業各社やオイルメジャーが、油価低迷で進捗が止まった資源開発分野での業績悪化のため、資源開発分野のエンジニアを大幅に人員削減したことは記憶に新しい。
 しかし現在、油価は再び50ドル近くまで回復してきている。開発投資が止まっているため、既に石油が再び需給ひっ迫化することへの懸念が出てきており、開発投資の拡大が呼び掛けられるようになってきている。とはいえ、案件がすぐに動き出すのであれば、各社とも再び石油エンジニアを確保して行けばよいのだが、そこまでには至っておらず、また不透明感が残されている。
 その中で、これまでの事業のウィークポイントを解析し、それを補完できる会社との事業統合やM&Aなどによって、プロジェクトをより獲得することができようにするとともに、効率的にプロジェクトを遂行できる体制を作るには、プロジェクトが停滞しつつも、今後の回復が見込まれる現在が最適なのだと言えそうだ。
 一方、GEがサウジSAIICと共に、サウジアラビア国内での投資拡大を行うこと表明した。これは業界再編とは異なるが、石油に大きく依存してきた同国の産業構造を多様化させることが目的であり、相手国とのパートナーシップをつくることで、そのニーズの変化に対応して行くものだ。
 世界の市場は今、大きく変化してきているのは確実だ。エネルギー資源開発もより複雑化するとともに、高い信頼性と低コスト化の両立が求められつつある。日本はこの分野では出遅れており、なかなかここでリードしていく事は難しい。だが日本の技術・サービスの高い信頼性と低コスト化ソリューションが、企業同士による協業の中でうまく活かされれば、チャンスが無いわけではない。

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EDITORAL
●編集後記

○…このところ「釈然としない説明が相次いでいる」という感想を漏らした人がいる。確かに、元プロ野球スター選手の清原氏の公判での説明といい、釈然としない説明を繰り返す舛添東京都知事といい、さらに極めつけはコンサルタント会社への巨額の支払いを行った日本オリンピック委員会竹田会長の説明といい、釈然としない釈明、説明ばかりだ。清原は公判で罪状は認めたものの、覚せい剤の使用はプロ野球を引退してからで回数は分からない、と説明した。「回数は分らないというのはどういうことか。毎日なのか、週何回なのかは答えられるはずだ。全てをさらけ出し、真に反省し、再出発を切ろうという姿勢がみられない」という指摘があったがその通りである。
 また、いま日本で一番釈然としない説明をくり返す舛添都知事は、「第三者に調査して貰う」と真相究明の引き延ばしとしか思えない対応をしている。自分の説明では収束できないと考えたのか。
 さらに釈然としない説明に終始するのがJOCの竹田会長。売り込みがあり、電通に調べてもらったら実績があるからと頼んだコンサルタント会社がペーパーカンパニー。
 お三方とも釈然としない説明を繰り返すほかない事情があるのだろう。説明になっていないのだ。真実はいずれあらわれるはずだ。

○…インチキ扱いされたSTAP細胞が今また注目されている。小保方さんが今年になって本を出したり、瀬戸内寂静さんと対談したりもしているが、そういうメディアへの露出が増えたということばかりではない。
 大きなポイントは、ドイツのハイデルベルク大学ではガン細胞を使ったSTAP現象の再現を確認したということだ。厳密には小保方さんのレシピでは成功しなかったものの、緩衝液などの変更を加えての成功であるが「STAP細胞はありまーす」は正しかった。問題は細胞が多能化する一方、同じストレスで死んでしまう現象も確認されたので、その違いを生む要因は何かを今後探っていくとしている。一方、米国ハーバード大学附属ブリガムアンドウィメンズホスピタルは、STAP細胞の特許出願を世界各地で行っていることが報じられた。その費用には総額1,000万円程度かけているという。
 その一方で日本はSTAP細胞そのものがインチキであると断定され、日本の学界では手を出せなくなってしまった。振り返ってみれば、そもそも追実験すらできていない段階で、理研があれほど大々的に発表に踏み切ったのが実に不自然だった。小保方さんの論文に問題があったのは事実だが、STAP細胞そのものを扱えなくなったのには、理研にも重大な責任がある。

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