○…友人たちと遊ぶトランプゲームで大人気なのはナポレオンと大富豪(大貧民)だそうである。ゲームと関係はないが、アメリカの大富豪トランプ氏が世界中の注目を集めているようだ。
過激な発言で世界中を驚かせたトランプ氏がどうやら共和党の大統領候補に確定したらしい。不人気?のヒラリー・クリントンを抑えて米国大統領に就任することも現実味を帯びてきた。
それにしても分らないのが、膨大なエネルギーを費やして実施されている予備選挙という大統領選出のプロセスだ。お祭り騒ぎの民衆に囲まれて喚き散らして支持者獲得に精を出す。アメリカはこれが本当に民主的なプロセスと信じているのだろうか。もちろん最終的には、アメリカ全国民がかかわっていくのであろうが、予備選の「お祭り」さわぎが理解できない。
だが、トランプ旋風が起きているのにはそれなりの理由があるのであろう。もしかすると、過激な暴言をまき散らして民衆の心をつかむ彼の戦術は、優れているのかもしれない。実は只者ではないのかもしれないのだ。
今回のことで一つわかった。大多数の貧民は大富豪が好きなのだ。彼をここまで持ち上げるアメリカという国がますます理解しがたい国であるということ。
○…法律を守るというのは、必要なことではあるが、法律がいい加減だったり、むしろ法律の方が間違っている場合もある。それでも従わなければならないという意味で使われているのが「悪法も法なり」というソクラテスの言葉だ。しかし、ソクラテス自身は「悪法だって法なんだから守らなければならない」なんてことは全く言ってない。彼は「(法ではなく)自らの哲学に殉じよう」と言って死んだとされている。
そのため日本以外の先進国では「悪法も法なり。だが、法だからといって従うべきではない」と教えているという。悪法も法としての強制力を持つのだから、悪法を野放しにしてはいけないのである。むしろそれこそ正義というものだ。
「働かざるもの食うべからず」と言う言葉では、労働をしない(=怠けてる)人は食事をする権利が無いように言われている。最近はこれがさらに暴走して障害や病気、環境などで「働けないもの」も「食うべからず」というように使われだしている。しかしこの言葉は聖書では「働こうとしないものは…」と記されており、「働けないもの」は除外されている。またこの言葉を広めたレーニンは「働かないもの」とは「労働をしないもの」すなわち「資本家」のことを指している。言葉の本義にもう一度立ち返ってみるべきだ。
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