EnB 8号 目次
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日本の“契約”を見直せ

■INTERVIEW
国内プラント事業移管で規模拡大
多機能型人材育成で競争力を強化
テックプロジェクトサービス 代表取締役社長 今井重幸氏

■GLOBAL Business
・Statoil、新Subseaコンセプト“Cap-X”を発表
・Technip、世界初のHS-FCCを韓国に供給
・現代重工、大規模リストラへ
・Honeywell、新フィールドサービスを発表
・Lahmeyer Hydroprojekt、エンジ会社を買収

■TOPICS
省エネ再エネ投資28兆円を創出へ-エネルギー革新戦略

再エネ拡大へ制度の充実を-新エネ財団

■Projects News
…イラン石化部門、10年で550億ドル必要に
…イラン、今年14の石化プロジェクトスタート
…インド、イランに200億ドル投資可能性
…イラン-オマーン間ガスパイプラインで基本設計
…Sonatrach、3つの製油所新設を計画
…AramcoとSabic、YanbuでJV製油所
…Aramco、Jafurahガス田開発でアセス
…PembinaとPIC、PDH/PPでスタディ業務
…Air Liquide、カナダで液化CO2設備
…Chevron、PAOを2割増強へ
…米タコマのメタノールPJがキャンセル
…オレゴンLNGが中止
…Petornas、Rapidの一部をキャンセル
…Yara、Rio Grande肥料を増強へ
…AFW、米Clecoから発電設備受注
…Clarke Energy、タンザニアにガスエンジン受注
…米Turkey Point原発拡張計画がやり直し
…Veolia、Dolphin Energyの排水処理設備受注
…EDF、エジプトで再エネプロジェクト
…WorleyParsons、BP資産のEPCm受注
…GE、Thar2火発向けCFBボイラ供給
…Jacobs、Woodsideからエンジサービス受注
…Jacobs、Monsantoからプラント拡張EP業務
…クラレ、米テキサスでVAMプラントのスタディ
…Nordex、トルコで風力発電40MW以上を受注
…印LTHE、PDOから2案件を受注

■NEWS Flash
・川崎重工、国内外で発電設備を受注
・東芝とIHI、インドネシアの発電設備受注
・IHI、エルバ島LNGプラントを受注
・ENAA、SBMへの海洋技術提案で企業募集
…Hitz、初のタイ向けごみ焼却発電受注
…MHPS、米国とバングラ向けにGT受注
…東芝、ケニアから配電用変圧器受注
…日揮、軽米西ソーラー発電所建設PJを受注
…三菱重工、日本液炭向けにCO2回収装置
…川崎重工、神鋼向け灰処理設備2基受注
…MHIグループ、米ExxonMobilとLNGで協業
…Hitz、排煙脱硝触媒製造プラント新設
…JFEエンジ、野菜工場を新設

■Procurement
・東芝、戦略調達ソリューションの機能強化版
・三浦工業、真空冷却機「CHシリーズ」モデルチェンジ
・マックス、工事現場等の警告表示テンプレート

■Environmental
・大津市、予定価格635億円のDBO事業を入札公告
・高砂市、広域ごみ処理施設DBO事業を公告
・埼玉西部環境保全組合、アドバイザーを公募
・鹿児島市、新南部清掃工場DBOでアドバイザー委託へ

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 8号 表紙

 

EYE
●日本の“契約”を見直せ

 「国内でのプラントビジネスは、海外とは違う難しさがある」という言葉をまた聞いたので、これまで聞いてきた話をいくつか思い出した。
 まずは、原子力発電所建設の違和感。どうも話の流れがつかめないので、思い切って「原子力発電の建設契約って何時結んでるんですか?」と聞いた時の答えが「正式契約はいつだろう?完成直前かも」だった。しかも契約書はA4用紙4枚程度というのでびっくりした。それでは契約もへったくれもあったもんじゃない、そんなやり方でよくプロジェクトができるな、と思った。
 次はごみ焼却炉。流動床式焼却炉を収めた某プラントメーカーは、「どんなものでも処理できます!」と説明していたという。当然、都市ごみなら何でも、という意味で普通は受け取るが、何を考えたかその自治体は焼却炉の中にバックホウのアタッチメントを突っ込んだという。そんな使い方で炉が壊れない訳が無い。しかし自治体はメーカーに対してその修理を「タダにしろ」と迫る。それでなくとも、保証期間が過ぎたトラブルに対しても「タダでやってくれ」と言われるのが常であった。今は長期O&M契約が広がっているので、そんなことも無いだろうが、これもたまったもんじゃない話だと思った。
 さらに建築関係では、資機材および労務費が急激に上昇した際に、コントラクター側だけでエスカレーションを受けいるのではなく、デベロッパー側にも一部を負担してもらいたい、と交渉した人がいるが。「ものすごく怒られた」という。一度契約した価格は、何が何でも見直しできないという、硬直した契約関係のなかでは、データ改竄やシャブコン、設計不順守などが起こってくるのも、十分に理解できる(もちろん良いことではないが)。
 他にも色々とあるが、日本の商習慣では契約関係は対等ではなく、発注者の立場が極めて強い。しかも交渉しようとすると、他の顧客にもその噂が広まり、仕事が減るというリスクのある、プリミティブな市場である。この商習慣の改善こそが、日本企業を国際化するもっとも重要なポイントだと考える。

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EDITORAL
●編集後記

○…人生の残りが秒読み段階に入っているものとしては、まぁいいかと思いつつも絶望感に打ちひしがれる出来事が多くなっている。最近一番感じたのは、言論への統制である。放送内容に対して政治家が気に食わないからと陰に陽に恫喝する態度をみせる機会が増えている。これに応えてテレビ局自体も自主規制に拍車をかけているのではあるまいか。さらにこれに乗って民間団体からも「番組が偏向している」と自分たちの気に入らない番組への攻撃が増えているようだ。
 いまや新聞を読む人が減少の一途をたどり、テレビ番組の言論人としての主張への期待が高まっているのは間違いあるまい。しかし、番組自体もあきれるほどくだらないものが増えているばかりでなく、言論も自主統制されているとなれば、最早息苦しさを感じるほかない。
 「この国の言論空間は、息苦しさを増しつつある。息苦しさを越えて、窒息感さえ漂い始めている。このままでは日本の言論は死んでしまうかもしれない」という主張を目にしたことがある。
 自分たちに逆らう者は、徹底的に攻撃し許さないという風潮が政治家にも、民間団体にも蔓延っているような気がする。気に入らないニュース番組のキャスター更迭を喜んでばかりいると、いつの日か自分たちにはねかえる。

○…東京オリンピックのエンブレムがようやく決まった。国民投票の最下位のデザインがエンブレムに選ばれたので、巷の評判はあまり良くないが、個人的にはこのデザインが良いなと思っていた。色味少ないが、多くのデザインが五輪カラーを意識しているなかで、このデザインは目立つし、記憶にも残りやすい。
 B案はカラフルだし、デザインもシンプルで良かった。そのため人気が高かったが、オリンピックのデザインが正円であるのに対して、パラリンピックのデザインが、円がひしゃげているように見えたのが引っかかっていた。
 デザイナーに特に意図は無いのだろうが、これではまるで障害者を「不完全な人間」と見ているようだ、という気がしたので、これが選ばれないことを密かに願っていた。
 C案の風神・雷神のモチーフは面白い考えで、躍動感もあり比較的好きなデザインだが、A・B案に比べると、やはり一歩及ばない感じがある。アサガオをモチーフにしたD案に関しては正直「無いな」と思っていた。
 それにしても、既存のデザインとの類似性をインターネットですぐに検索出来てしまうので、エンブレムの選定は紆余曲折を経た。しかし今回、新たなやり方でデザイン選定を行うことで、選定の透明性が高まったことは良かったと思う。

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