EnB 1号 目次
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■EYE詳細へ
断絶から対話へ

■INTERVIEW
チャレンジする会社をサポートする
千代田化工建設代表取締役社長 澁谷省吾氏

エネルギー供給と環境が事業の軸
日揮代表取締役会長 佐藤雅之氏

TOYOのプライドで競争に勝つ
東洋エンジニアリング取締役社長 中尾清氏

欧州など5拠点を軸に海外展開促進へ
JFEエンジニアリング専務執行役員 都市環境本部長 澁谷榮一氏

■REPORT
回復に向かう2016年プラント市況

電力システム改革とプラントビジネス
電力自由化を考える前に、低炭素化を考えよう
ENCOREDマーケティング本部長/ジャーナリスト 本橋恵一

■TOPICS
原油価格、2016年後半に上昇へ

上半期プラント成約額は7割減

IRID、福島原発の除染装置を開発

■Projects News
…Duqm製油所、今年末にも発注へ
…AFW、BPからFPSOを受注
…Aramco、Yasref 製油所建設で47億ドルを調達へ
…WorleyParsons、BAPCO近代化のPMC受注
…Basraの石油・ガスで8億ドル投資へ
…BG、Lake CharlesLNGでFERC認可取得
…中国恒力石化、CB&IからCatofinプロセス
…印Chambal、肥料プラントの資金調達で事業売却
…Chevron、2016年に266億ドルを投資
…CNOOC−Shell、恵州エチレンを拡張へ
…GE、パキスタンからGTCCプラントを受注
…GE、Waad Al Shamal GTCCを受注
…イラク南部油田EORで外資にアプローチ
…Jacobs、オイルサンド施設業務を受注
…Jacobs、Ruwais製油所排熱回収PJでFEED
…三星エンジ、米EGプラントを受注
…MEGlobal、FreeportのEGプラント建設へ
…Meridian Energy、ノースダコタに製油所計画
…Oxea、2EHプラントで認可取得
…三星エンジ、Pemexの製油所リバンプを受注
…Sabine Pass LNG拡張計画で認可申請
…Aramco、Jazanで世界最大の産ガスコンプレックス
…Shell、テキサス州のエチレン増強で認可申請
…Topsoe、Clear Lakeメタノールにライセンス
…POSEC、チリで石炭火力受注

■NEWS Flash
・住友商事、タンジュン・ジャティB拡張を実施へ
・三井物産、オマーンでプラント実績
・日立製作、中外製薬のバイオ抗体原薬プラント受注
・MHIヴェスタス、世界最大の洋上風力受注
・BWSC、英国向けバイオマス発電受注
・ウェスチングハウス、S&Wの買収を完了
・三菱重工コンプレッサ、ブラジル法人設立
・富士電機、ベトナムのエンジ会社を買収
・Hitz、ごみ焼却発電のビッグデータ管理システム開発へ
…NSENGI、タイPTTEPから海洋ガス生産設備受注
…横河電機、シンテックのエチレン向けシステム受注
…JFEエンジ、コンテナクレーン3基受注
…MESA、アジアでコージェネ発電営業開始
…三菱重工、AQCS製品事業を強化へ
…伊藤忠、豪州で下水再生処理事業
…日立製作所、MHIから2.5MW風車のライセンス取得
…川崎重工、低NOx水素専焼GT燃焼技術を開発

■NEW YEARS MESSAGE
2016年 トップの年頭所感

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

■Editorial 詳細へ

EnB 1号 表紙

 

EYE
●断絶から対話へ

 電気代を払わなければ電気を止められる。ガス代も払わなければガスも止められる。人間に絶対必要な水を供給する水道だって、半年も払わなければ止められてしまう。
 ロシアがいくらガス代を払えと言っても、ウクライナは払わなかった。払わなければ止めるぞ、と警告を続けてもウクライナは払わなかった。しょうがなくロシアはガスを止めた。それで迷惑を被った欧州は、ウクライナを責めるべきであるのが理屈だが、ロシアを責めたのである。ロシアからすれば、筋違いの文句を言われたようなものである。
 この件でウクライナを信用しなくなったロシアは欧州へのガス供給を確保するためにウクライナを回避するガスパイプラインのルートの建設計画を始めるが、EU側は規制に合わないということで、その建設を事実上拒んだ。その後、ウクライナとロシアの争いにより、欧米側は対ロシア経済制裁を実施して今に至っている。
 ロシアに対して、なかなか冷静な判断ができないのは欧米側の常だ。そしてロシア側も欧米に対して冷静な判断はなかなかできていないように見える。経済制裁はそういった、根本のディスコミュニケーションから生み出されている。そしてロシアへの経済制裁で損をするのは、主に欧米側の企業であり、ロシアそのものはそれほど困っていない。北朝鮮に対する日本の経済制裁も、当の北朝鮮自身にはたいして影響がない。結局のところ、経済制裁などというものは政治的パフォーマンスに過ぎず、それで迷惑を被るのは民間だけだ。
 ロシアの資源開発プロジェクトは日本にとっても重要な意義がある。エネルギー資源を海外に依存せざるを得ない日本にとって多面的なルートを確保しておくのが何より重要なことであるが、未だにルートの多様化が進展していない。ロシアからのパイプラインガス輸入ですら、政治的に反対する向きが多い。欧米と同様、冷静になれないのである。相互に利益を生み出すには、制裁という断交では意味はない。結局は対話を進めていくしかないのである。

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EDITORAL
●編集後記

○…2016年の干支は「丙申(ひのえさる)」。干支は、十干と十二支を組み合わせた60を周期とする数値。「申」は「呻」(しん:「うめく」の意味)で、樹木の果実が熟して固まる、伸びるという意味があるらしい。「丙」は五行でいうと「火」を現す漢字で、「横に燃え広がる」「明らかになる」という意味。この2つが合わさると、「物事が大きく進歩発展し、成熟する年」になるという。こう聞くと期待が持てそうな雰囲気であるが、意味深ではある。
 前回の丙申は、当然のことながら60年前の1956年。日本は戦前の経済水準を超えるまでに回復し、経済白書に記載された「もはや戦後ではない」という言葉が流行した年である。国際的には、2月にフルシチョフによるスターリン批判があり、10月には イスラエル軍がエジプトに侵入して、第二次中東戦争が勃発している。同年12月18日には、日本が国際連合に加盟を果たしている。
 同年は明暗を分ける話題にこと欠かないが、世界的にも日本においてもその後を左右する「横への広がり」があった年であったのは確かだ。
 翻って、2016年はどうか。まだまだ完熟する年ではないが、形がはっきりして固まって行くという見立てだ。もしかすると、新たな道が開けるかもしれない。頑張ってきた人の努力が形になっていく年にぜひなって欲しい。

○…今年の賀詞交歓会では、国内の設備投資拡大への期待感があちこちで言及されたようだ。昨年暮れあたりから、ちらほらと設備投資が拡大しているという話が出ていたので、それに新年の目出度さを上乗せしたせいか、かなり大きな話になっている。
 しかし昨年6月に政策投資銀行が行った設備投資計画調査の結果を覚えている身としては、なかなか素直に投資の増加を鵜呑みにすることができないのだ。
 同調査では、確かに2015年度は全産業で13.9%もの設備投資の増加が示されている。特に製造業に至っては24.2%増もの投資計画の増加が予定されていた。これは4年連続の増加となっている。その点からすると、設備投資計画はやはり増加傾向にある、と見ても良いように思われる。
 しかし、問題は昨年6月時点の計画で、2016年度の設備投資計画はマイナスとなっていることだ。全産業では2015年年度に対して9%もの減少となっている。
 この数字は、回答企業の心づもりとして、2015年度に2016年度分も前倒しで投資する、ということを示しているように思える。もちろん。この調査時点と現状では景況感が異なるのだから増加に転じる可能性も、当然ある。
 だが足下では、中国発の株価下落、円高基調、原油の低下、政治的リスクの増加など、投資減少要因が多いように思う。

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