EnB 19号 目次
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不採算工事の構造問題

■REPORT
領域拡大するパイプエンジ

■GLOBAL Business
・三星エンジ、2015年3Qで大幅損失
・Linde、リフォーマー開発施設を開設
・ThyssenKrupp、風車試験・開発センター開設
・Clough、加Enercoreを買収
・SABICが組織改正

■TOPICS
「今こそ資源への投資を」豪フライデンバーグ大臣

原油低価格下でも投資は必要-エネ研

■Projects News
・トルクメニスタンのガスPJで日本と合意
…LiwaプラスチックPJで優先権者選定
…Aramco、Yanbuで200億ドルの石油石化計画
…Alstom、ドバイの石炭火力を受注へ
…Badlands NGLs、UnipolのPE技術を選定
…BASF、中国で美容液原料の生産拡大へ
…CB&I、特殊化学プラントを受注
…Emerson、Sasolから石化設備の自動化支援を受注
…Fluor、英接着剤工場拡張計画を受注
…Fluor、Al-Zour製油所を正式受注
…印McNally、オマーン製油所を受注
…イラン、ESBRプラントを着工
…Jacobs、日本触媒からSAPプラント等受注
…McDermott、カタールでオフショアEPCI受注
…米NWIW、メタノールを増設
…Salalah Methanol、アンモニアのE&CでPQ
…双日、PNGでメタノール生産へ
…Petro Rabigh、入札プロセスを開始
…Pin Oak、石油貯蔵ターミナルを計画
…米Pasadenaにアンモニアプラント
…SABIC、300億ドルPJの決定は来年に
…Syngas Energy、50万t/yメタノール建設へ
…Technip、Rapid計画で水素リフォーマー受注

■NEWS Flash
・住友商事、トルクメニスタンで火力発電受注
・日立製作など、PNG下水処理インフラ受注
・Primemtals、唐山鋼鉄からCGLを2基受注
・三菱重工など、メキシコでCCS-EORでFS
・Hitz日立造船、ホーチミンの汚泥処理PJ受託
・NSENGI、日本コークス工業向けCOG設備を完成
…丸紅、Ciregon石炭火力拡張PJでPPA
…横河電機、印BPCL向けTAS受注
…三菱重工とENGIE、エネルギー技術包括協定
…東芝、オーマット社と地熱で戦略提携
…JFEエンジ、マニラ支店開設
…荏原製作所、インドにサービスセンター
…住友重機、大型バイオマス発電受注
…神鋼環境、下関で消化ガス発電事業
…Hitz、秋田バイオガス発電事業に出資
…荏原環境、北秋田でごみ焼却施設受注

■Procurement
・横河電機、プラントの安全計装システム機能強化
・アズビル、理業務支援の入力端末にAndroidを採用
・TLV、真空蒸気加熱システムの小型モデル

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 19号 表紙

 

EYE
●不採算工事の構造問題

 三星エンジニアリングが第3期決算で巨額の赤字を発生させる事態となっている。この損失の要因は、中東などでの大型案件。案件の大型化・複雑化によるプロジェクト遂行が難しくなってきた。また同時に、中東での地政学的リスクの発生、原油下落に伴なう工事進捗の遅れと設計変更や追加工事の発生などとしている。日本の工事損失とほぼ同じだ。
 韓国のエンジニアリング業界では、2013年以後は中東での安値受注を控え、収益優先の受注活動をしているので、業界全体には広がらない、としているが、工事損失の要因が日本と共通しており、三星エンジニアリング1社の特殊要因という訳でもない。今後、他のエンジニアリング会社にも同様の工事損失が広がる可能性もある。既に一部報道では、現代建設でリビアの火力発電所や公共建築物などのプロジェクトで工期遅れが発生しており、損失の発生が見込まれるとしている。
 これまでにGS建設や大林産業も赤字を計上させており、さらに最近になって未収金が拡大してきているという話もある。
 もちろん、工事損失の拡大は、韓国だけの問題ではない。既に日本のエンジニアリング会社も複数の工事損失を計上している。最近ではIHIも海洋構造物での損失を計上してきており、他人事ではない。現在の原油価格は、来年も続くと見る専門家も多く、プラント建設プロジェクトは工事遂行面でも、採算面でも不安定な状態が続くと考えたほうがよさそうだ。
 海洋構造物については、韓国でも不採算案件が続いている。日本の造船各社もかつて、リグやジャケットなど大規模な海洋構造物を手掛けていた。しかし特にリグなどは複雑性を増し、さらに度重なる仕様変更を余儀なくされるなかで不採算となり撤退していった経緯がある。それがまた繰り返されているように見える。それには受注競争を繰り返す受注側の問題もあるが、発注側の意識にも問題があるのではないか。構造問題としてとらえなおす必要があるように思える。

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EDITORAL
●編集後記

○…少子高齢化の加速が言われてから何十年経つだろう。この間、政府が少子化対策に本気で取り組んできたとはとても思えない。唐突に出てきた「1億総活躍社会」。この実現の大きな柱の一つとして出生率をあげるために「夢をつむぐ子育て支援」が謳われているが、例によって掛け声だけで具体的な政策に乏しいとしか思えない。
 ところで、10月初めに厚生労働省が発表した「2014年度の児童虐待件数」は衝撃的な数値である。全国の児童相談所が対応した件数は、1990年度に集計を始めて以来はじめて8万件を突破し8万8931件になったという。前年度は7万3千件であったことからすると急激な増え方だ。過去の統計をみると1990年度の1,101件から2,000件を超えるまでに5年間を要している。その後、年々増加にあるが1万件を超えたのは1999年度から。ここ数年は5千件程度の伸びであったが、14年度は前年度から1万5千件も増加したのだ。
 「児童の虐待に関する法律」によって18歳未満が対象とされており全国207ヵ所の児童相談所が相談や通報によって対応した数値である。「経済格差や複雑な家族関係、都市化による家庭の孤立など虐待を生む環境が広がっていることが増加の背景にある」との指摘もある。根本にある原因に対応しなければ今後も虐待は減少しないだろう。「産めよふやせよ」だけでは…。

○…アマゾンの電子書籍リーダーであるキンドル・ファイヤーが先ごろ新製品を発表した。その価格は何と約9,000円。しかもアマゾン・プライム会員(年会費3,900円)になればそれがさらに4,000円引きとなるというので、心がときめいた。
 ただの電子書籍リーダーではない。普通のタブレットとしても使えるうえ、ミニSDカードスロットも備えていて拡張性も良い。画像はそれなりだが、ユーザーによるとさほど問題はないらしい。何と言ってもプライム会員になることで、提供している動画は見放題。キンドル本も毎月1本が無料で読めるというのも魅力である。またプライム会員は通常の買い物での送料無料サービスもある。
 けれど、良く考えてみると動画は普段からインターネットで無料で見ている。キンドル本も今一つ読みたいものがあまりない。送料無料になるというが、普段アマゾンで買い物をする限り、プライム会員でなくとも送料無料のものを選べば買い物は出来る。
最初魅力的だったポイントも、一歩引いてみるとさほど魅力的ではなさそうに思えてきた。それに加えてキンドルはグーグルのアプリが使えないので、仕事ではさほど役に立ちそうもないな…と迷っているうちに4,000円割引セールも終了してしまった。根っからの貧乏性である。

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