○…米国での銃乱射事件が絶え間ない。10月に米オレゴン州のカレッジで20人前後が銃で撃たれ、10人が死亡したと報じられた。今年6月には21歳の差別主義者の白人男性が教会内で銃を乱射し、9人の黒人が殺害されたばかり。だが、ちょうど1カ月後の7月にはテネシー州にある2カ所の米軍施設で海兵隊員4人が死亡する銃乱射事件が起こっている。その数日後にルイジアナ州の映画館で男が銃を乱射し、2人が死亡、少なくとも7人が負傷したようだ。なぜか、これまで米国の銃乱射事件は学校・映画館などで発生する場合が多いようだ。史上最悪の犠牲者数となったのも学校で起こっている。2007年4月に起こったバージニア工科大学銃乱射事件で教員・学生33名が死亡した。
なぜ、米国の学校で銃乱射事件が絶えないのか、かねがね疑問に思っていた。さる8月に発行されたニューズウィーク日本版によると「アメリカで圧倒的に銃乱射が多いのは、絶望と銃が共存しているからだ」という。公共の場所で銃を乱射した犯人がしばしば、退学になったり解雇されたり、いじめに合っていたことも、学校や職場が銃乱射の場所に選ばれる理由らしい。いじめ、挫折、社会への不安感を反映している状況は日本も変わらないが、幸いなことに日本は銃社会ではない。米国追随が好きな日本。だが、これだけはまねして欲しくない。
○…インドネシア高速鉄道の件。改めて日本の大手マスコミの駄目さ加減を目の当たりにした気がする。事実上、日本が商談を諦めたようなものだがインドネシア側が白紙撤回しただの、中国の賄賂があっただの、親日派大臣が辞任させられただのという陰謀論を恥ずかしげもなく展開している。実際にはレポートで紹介したような流れであり、単にインドネシア側のニーズに中国が対応できて、日本が出来なかったというだけの話なのである。そういう点をちゃんと指摘出来なくなっていると言う点だけを見ても、大手マスコミの質の低下は著しい。
先般、国連会合での安倍首相会見で事前の質問メモの存在が明らかになり、その通りに進んだことで海外マスコミからは顰蹙を買ったのは記憶に新しい。あらかじめ質問項目を出すと言うのは、企業や行政相手の取材ではほぼ当然のように行われているが、そこから逸脱した質問をしてはいけない訳ではない。大臣会見なども、事前の質問項目が出されているそうだ。国内の首相会見にはフリーランスの記者も出られるが、決して指名されないという。政府側もフリー記者が挙手しているのを脇目に、挙手もしていない“お抱え記者”を指名したりするという。まことに情けない限りである。 |