EnB 18号 目次
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ネーミングセンス

■REPORT
インフラシステム、輸出から貿易へ-インドネシア高速鉄道の教訓

「顧客ニーズに対応」JFE発電エンジ本部、650億円規模目指す

■GLOBAL Business
・Fluor、Sasolとコラボパートナー契約
・Thyssen Krupp、仏ポリジウス等を統合
・Amec Foster Wheeler、UAEで事業拡大
・Statoil、次世代エネルギーで大学と連携
・露Kazan大学、新規PE触媒発見

■TOPICS
日立グループ、メンテ事業を高度化

ハネウェル、LEAPをアピール

■Projects News
…AECOM、SCRレトロフィットを受注
…Aker Solutions、マレーシアでサブシーシステム
…AFW、BPから北海ETAPで居住区追設工事受注
…AramcoのWasitプラントが完成へ
…Badlands、計画中のPEプラントで原料調達契約
…BASF、アジアでBDO展開へ技術契約
…CB&I、TotalからクラッカーのFEED受注
…Dominion、56MWのメガソーラー建設へ
…DEWA、ソーラー発電でテンダー
…Evonic、シンガポールにメチオニン
…Golar Cameroon FLNG、最終投資決定へ
…Gulf Petrochem、拡張計画で8000万ドル投資へ
…印BPCL、Kochi製油所でフィルター発注
…印Kribhco、肥料プラント建設へ
…クウェート、開発計画でPPP活用へ
…SDG&E等、ガスパイプライン信頼性向上を提案
…Oxea、プロパノールプラント建設へ
…Poyry、インドネシアの紙パ案件を受注
…Poyry、ドバイ変電設備のオーナーズエンジ業務
…SOCAR、Baku製油所で新規ビチューメンプラント
…Technip、Shellからメキシコ湾のサブシー設備受注
…IVO、休止中のクラッカーを再起動へ
…Total、イラクで石化コンプレックス
…トルクメニスタン、ガス処理設備増強へ

■NEWS Flash
・神鋼環境、ベトナムで水供給設備連続受注
・MHPS、中国向けでM701 F5初受注
・Primetals、トルコErdemir向けCGLを受注
・住商など、酒田市に木質バイオマス発電
・月島機械、千葉市から次世代汚泥焼却システム
・INPEX、イクシスLNGでCPF進水
…MHPS、JX水島製油所発電設備受注
…IHI、神戸製鋼のIPP発電設備を受注
…三井造船、印南風力発電所建設工事受注
…MHIEC、尾三衛生組合から基幹的設備改良工事受注
…Hitz、茅ケ崎市から基幹的改良工事受注
…東芝、ハウステンボスから水素供給システム受注
…東芝、中国向け水車発電機が運転開始
…Primetals、中国向け圧延設備が稼働開始
…石狩超電導DC送電組合、超電導送電開始
…鹿島、着床式洋上風力基礎施工法を開発

■Procurement
・横河、データ収集点数5倍のプラント情報管理システム
・スリーエム、必要なとき簡便に使える防毒マスク
・日立プラントメカ、防塵・防水の工業用LED照明

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■エンジニアリングダイジェスト

■最近のプロジェクト受注・契約状況

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EnB 18号 表紙

 

EYE
●ネーミングセンス

 ノーベル賞に大村智さん、梶田隆章さんが選ばれた喜ばしいニュースの裏で、実はもっと気になったのが、イグ・ノーベル賞化学賞に輝いた「ゆで卵を生卵に部分的に戻す化学的レシピ」を考案したカリフォルニア大学アーバイン校のGregory A. Weiss教授らのグループの研究だ。
 「人々を笑わせ、そして考えさせる」研究業績に対して贈られるのがイグ・ノーベル賞であり、この化学賞もそのタイトルからして関心を呼び起こさずには居られない。これが本当なら、まさに「コロンブスの卵」だ。
 しかしその内容は人を笑わせるようなものではない。イグ・ノーベル賞が申し訳ない気がするほど意義の深い研究だ。
 今年1月にChemBioChem誌に掲載されたこの論文は、生物工学上重要なタンパク質のリフォールディング技術に関するもの。熱変性により凝固したタンパク質を再生(リフォールディング)し、変性前の状態に戻す簡便で効率的な方法を開発したという。具体的には、「凝固タンパク質を尿素処理で可溶化した後、流体による機械的圧力(せん断応力)によってタンパク質の塊を解きほぐす」という内容らしい。この論文の紹介記事によると、生物工学では、大腸菌や酵母を用いて組換えタンパク質を生産するが、その際に目的とするタンパク質が変性し不活性な封入体を形成してしまうことが多い。変性したタンパク質を変性前の活性を持つ形に戻すということだ。従来法では効率が低くコストも高かったが、今回の研究では、従来法より100倍以上のスピードでリフォールディングが起こったという。これが実用化されれば、バイオ医薬品製造においても画期的なものとなりそうだ。それにしてもこのネーミングセンスが凄い。試料に卵白を使ったからこんなタイトルにしたというが、こんな名前を付けられたら否応でも注目させられてしまう。
 「日本は技術に優れている」というが、堅苦しい名前ばかり。ネーミングのセンスについてはまだまだ未熟なのである。

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EDITORAL
●編集後記

○…米国での銃乱射事件が絶え間ない。10月に米オレゴン州のカレッジで20人前後が銃で撃たれ、10人が死亡したと報じられた。今年6月には21歳の差別主義者の白人男性が教会内で銃を乱射し、9人の黒人が殺害されたばかり。だが、ちょうど1カ月後の7月にはテネシー州にある2カ所の米軍施設で海兵隊員4人が死亡する銃乱射事件が起こっている。その数日後にルイジアナ州の映画館で男が銃を乱射し、2人が死亡、少なくとも7人が負傷したようだ。なぜか、これまで米国の銃乱射事件は学校・映画館などで発生する場合が多いようだ。史上最悪の犠牲者数となったのも学校で起こっている。2007年4月に起こったバージニア工科大学銃乱射事件で教員・学生33名が死亡した。
 なぜ、米国の学校で銃乱射事件が絶えないのか、かねがね疑問に思っていた。さる8月に発行されたニューズウィーク日本版によると「アメリカで圧倒的に銃乱射が多いのは、絶望と銃が共存しているからだ」という。公共の場所で銃を乱射した犯人がしばしば、退学になったり解雇されたり、いじめに合っていたことも、学校や職場が銃乱射の場所に選ばれる理由らしい。いじめ、挫折、社会への不安感を反映している状況は日本も変わらないが、幸いなことに日本は銃社会ではない。米国追随が好きな日本。だが、これだけはまねして欲しくない。

○…インドネシア高速鉄道の件。改めて日本の大手マスコミの駄目さ加減を目の当たりにした気がする。事実上、日本が商談を諦めたようなものだがインドネシア側が白紙撤回しただの、中国の賄賂があっただの、親日派大臣が辞任させられただのという陰謀論を恥ずかしげもなく展開している。実際にはレポートで紹介したような流れであり、単にインドネシア側のニーズに中国が対応できて、日本が出来なかったというだけの話なのである。そういう点をちゃんと指摘出来なくなっていると言う点だけを見ても、大手マスコミの質の低下は著しい。
 先般、国連会合での安倍首相会見で事前の質問メモの存在が明らかになり、その通りに進んだことで海外マスコミからは顰蹙を買ったのは記憶に新しい。あらかじめ質問項目を出すと言うのは、企業や行政相手の取材ではほぼ当然のように行われているが、そこから逸脱した質問をしてはいけない訳ではない。大臣会見なども、事前の質問項目が出されているそうだ。国内の首相会見にはフリーランスの記者も出られるが、決して指名されないという。政府側もフリー記者が挙手しているのを脇目に、挙手もしていない“お抱え記者”を指名したりするという。まことに情けない限りである。

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