○…8月下旬に東証株価が2万円台を割った。今後、どう展開するのかド素人には予測もつかないが、中国の動向が大きく影響するのは確かなようだ。「爆買い」が日本経済に好影響をもたらすものとして大きく取り上げられていたのはつい最近のことだ。
8月20日発表の7月の全国百貨店売上高は前年同月比3.4%増となった。訪日外国人の免税売上高が3.5倍になるなど大きく牽引している。7月のコンビニ売上高も前年同月比1.2%増である。「4-6月期のGDPとは乖離した数字だが、これを解き明かすのは7月訪日外国人が192万人と前年同月比50%以上も増加した点にある。百貨店、コンビニは外国人がよく利用する」と。訪日外国人による爆買いが「ちょうどこれらの数字を裏付けるものとなる」という解説だ。
だが、この爆買いが今後もずっと続くとは思えない。個人消費が低迷しているなか、日本経済の活力をもう一度、取り戻すにはどうすればいいのだろうか。
一つの案として、海外における「空前の日本食ブーム」に注目すべきだという主張がある。日本産の高付加価値野菜の需要も高まっているらしい。このトレンドをうまく生かせば、瀕死の農村部をよみがえらせることも可能となり、日本人が見落としがちな「伝統の技法」に、経済再生のヒントがあるように思えるという主張だ。
○…東野圭吾氏原作の「天空の蜂」が今月12日にロードショーとなる。原作が非常に面白かったので、映画化を期待していたので、楽しみである。舞台は錦重工業と“新陽”となっているがそのモデルは三菱重工と高速増殖炉“もんじゅ”だ。自衛隊が発注した大型ヘリコプター“ビッグB”が領収飛行直前にテロリストに奪われ、新陽の上空にホバリング。日本の全原子力発電所の廃棄を要求し、それが叶わなければ原子炉にビッグBを落とすというもの。
重工業の防衛部門の入退出のセキュリティの描写も細かくて、相当取材しているな、と感じられる内容であり、防衛産業だけでなく、原子力発電の裏面まで掘りこんだ内容だ。川内原発が再稼働したばかりの今、原子力発電所を利用したテロを扱った作品が公開されるというも、実に絶妙なタイミングと言える。
初版が1995年末なので、もう20年も前の作品であり、その分、時代に違和感はあるが、今読んでも十分な読み応えはある作品だった。ただ、この内容を映画でどこまで表現きるのか、特にテロリスト側の背景や内面まで踏み込んでいけるのか。「下手をすると、子供の救出作戦というというアクション作品になってしまっているかも知れない」というちょっとした不安もあるが、そういう点も含めてこの映画を楽しみにしている。 |