EnB 14号 目次
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■「エンジニアリング・イヤーブック2015」詳細へ
エンジニアリング業界アウトルック
   堅調だが見通し効かないプラント市況
2013年度主要プロジェクト一覧
主要企業のエンジニアリング戦略

■EYE詳細へ
他人事マネジメント

■TOPICS
通信プロトコル統合でプラントのリモート化が促進

■NEWS Flash
・三菱、ウズベキスタンの肥料プラント受注
・三菱など、インドで熱延設備受注
・千代田等、JOGMECの技術開発を受託
・Hitz、ラオスでバイオガス事業へ
・Hitz、ごみ焼却施設関連を相次ぎ受注
・IHI、蒸留工程の省エネ技術で圧縮機
・日立製作所、英国で鉄道関連を連続受注注
・千代田化工等、超電導直流送電試験に成功
・NEDO〜三造、50.6%の高効率ガスエンジン開発
・横河電機、SIL2対応無ガス検知システムを納入
・三菱重工等、長崎地区の工場を再編
…NSENGI、インド向けCDQ受注
…川崎重工、韓国向けにRDFボイラを受注
…クボタ、ティワラの上下水施設工事受注
…重工、サウジ向け大型ターボ冷凍機80台受注
…三菱商事、メキシコFPSO事業に参画
…MHIEC、ごみ処理施設工事相次ぎ受注
…神鋼環境、基幹的設備改良を受注
…荏原、中国向けに世界最大級の給水ポンプを出荷
…川崎重工、沖縄電力に世界最大ディーゼル発電
…三造環境エンジ、基幹的改良工事2件受注
…三菱〜日立、集塵装置事業を統合

■フォーラム

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 14号 表紙

 

EYE
●他人事マネジメント

東芝の不正会計に関する第三者委員会の報告書を見た。正直、マネジメントのこのような姿勢でEPCをまともに遂行できるとは思えなくなった。
 ここには複数の案件でどういう事が起こったかが記されている。例えば、受注時点で原価割れしていた案件では、受注年度に損失引当金を計上せず、それ以後の年度で引当金を計上する案件が複数ある。その理由が「損失発生の蓋然性および金額がほぼ確実と言えないうちには損失引当金の計上をカンパニー社長に認めてもらえないから」というものである。
 実際、2007年に受注したBTG案件では、受注後に資材価格高騰でコストが上昇。既に同年末に12億円の工事損失発生が見込まれていたが、その計上が行われなかった。結局、損失が計上されたのは2010年の工事完成時だけであった。しかし既に2008年1〜3月には担当者から損失引当金の計上がカンパニー社長に相談しているが、これが受け入れられることは無かったという。
 東芝が買収したウェスティングハウスも、米国の原発案件における設計変更、工事遅延によって、総額7億8,000万ドルのコスト増の報告があったのに対し、東芝側は十分な根拠なく、これを削減評価して会計処理したとされている。また契約直後に追加コストが発生しているにも関わらず、具体的裏付けのないコストダウン施策を織り込むことで、工事損失引当金を計上しなかった案件の事例もある。
 これらの事例から感じ取れるのは、現場とマネジメントの深い溝であり、現場はマネジメントから利益を求められるのみのようだ。しかも工事損失の発生を受けて、その計上をカンパニー社長が承認しないというのは、プラントの現場の事情はまるで他人事のような印象すら受ける。具体的根拠のないコストダウンを盛り込まれるような、マネジメントがサポートする意思のない現場で、EPCを安心して遂行することができるだろうか?今後、この溝を埋めることは可能なのだろうか?

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EDITORAL
●編集後記

○…日常なにげなく使っている「おはよう」、「さようなら」などの言葉は、「実はきわめて、日本のこころをあらわしている語だ」という説を読んだことがある。
 『「おはよう」と「Good morning」には、日本語と英語の根源的な発想の違いがあるのだという。それは何かというと、「おはよう」は会話の場面にいるはずの「話し手」と「聞き手」がどちらも文章に出てこず、まだ朝早いという状況に、「話し手」と「聞き手」とが「共感」していることばだというのである。対して「Good morning」は、「I wish you good morning」の省略形で、この朝がよいものであるように祈るという積極的行為を表現した文章が元になっているのだという。このような毎日何気なく使っていることばからも日本人固有の発想が読み取れる。』
 もう一つ。「さようなら」は「左様ならば」の「ば」が略され挨拶になった語である。神のそばにという意味の「グッド・バイ」とは違って、「そういうことならば」を意味する。これをネガティブな意味を持つと捉える見方もあるが、実は2つの用いられ方があるという。『1つは、状況に抗することなくあっさりと諦めるというそれであり、もう1つは、潔さ・美しさとしてのそれ』という説。
 常日ごろ我々は「日本のこころ」を表す言葉を使うが、これは現政治家が多用する「日本精神」とは似て非なるものだ。

○…「今年は9月にもゴールデンウィークがある!?」とつい先日、気が付いた。
 9月19日(土)から23日(水)まで5日間の連休となるもので、世間様では「シルバーウィーク」と呼ばれているらしい。敬老の日と秋分の日の間に国民の休日というものが入り、さらに土日と上手く繋がるためだ。だが、定期刊行物を出しているわが身にとって、このシルバーウィークはゴールデンウィークと並ぶ苦行となる。雑誌の発行日は変わらないのに、編集作業時間は著しく制限されてしまうのだ。GWと同様の前倒しスケジュールが再び訪れることに、今から戦々恐々としている。
 最近、日本に来た外国人を紹介するTV番組がある。成田空港で来日外国人を捕まえてはインタビューかけ、あわよくば密着取材させてもらおうという趣旨だが、インタビューに応える欧米人の休みの長さといったら、驚くばかりだ。日本中を自転車で旅をしたドイツ人も、日本中のラーメンを食べ歩いたたチリの青年も数カ月の休暇を取って日本を旅して帰っていった。
 日本は5日程度の連休をちまちまと作ってばかりで、こうした長期に亘る休暇を取れることが少ない。異文化を理解するにも、数日の旅行では難しい。日本人の異文化理解への姿勢が乏しいのは、休暇の取り方の問題も背景にあるのではないか。

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