EnB 03号 目次
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■EYE詳細へ
多様性が足りない

■REPORT
Hitz等、世界初の“都市油田”実証へ
ごみからバイオエタノールを生産

超大型案件で海外成約が拡大

■GLOBAL REPORT
中国対外承包工程企業ランキング発表される

Bechtel、2013年もE&Cランキングで世界トップ級

■GLOBAL Buslness
中東ソブリンファンド、韓国建設業に投資
・双竜建設、ICDが買収に本調印
・PIF、ポスコ建設株式買収を交渉中
中国核工業集団公司(CNNC)、欧米企業とMOU
・Fluorと原子力・再生エネルギーの事業機会でMOU
・AREVAと原子力の輸送・ロジスティックスJVでMOU

■TOPICS
東洋エンジ、新社長に中尾清専務 度重なる業績悪化で石橋社長引責

長期エネルギー需給見通し再検討へ

■Projects News
…Mina al-Ahmadi第5ガス分留、3月に入札へ
…Shell、イラクBasraで石化コンプレックス
…Air Products、Cameron LNGにライセンス
…ベトナムBSR、Dung Quat製油所拡張計画公表
…Sonatrach、シェールガス開発に700億ドル
…AFW、Moorside原発で環境サービス
…Aramco、Midyanガス田、来年にも生産開始
…Baltic LNG、Ust-Luga港近くで建設へ
…Aramco、紅海での探鉱活動を中断
…Chevron、Kitimat LNGへの支出を減速
…中国、イラン石化分野で20億ドルのクレジット
…Sasol、米GTL計画でFIDを延期
…Douglas Channel LNGが前進へ
…エジプトERC、Mostorod製油所に27億ドル
…エジプト、3年で4,300MWの再エネ導入へ
…EPP、Panola NGLパイプラインを拡張へ
…Formosa、テキサスでMEG/PEプラント計画
…Haldor Topsoe等、タンザニアで肥料PJ
…印NFL等、Ramagundamに肥料コンプレックス
…メキシコ、風力発電に140億ドル
…Petrofac、Lower Fars重質原油開発でEPC
…QP、石化PJでShell以外と協業へ
…Shell、豪Arrow LNGをキャンセル
…Taqa〜ハリバートン、JubailUで石化プラント
…東燃ゼネラル、清水油槽所にGTCC
…全星薬品、ジェネリック医薬で大阪に新工場
…コーセー、群馬工場に新生産棟

■NEWS Flash
・JFEエンジ、フィリピンの下水処理設備受注
・神鋼環境、ベトナムで下水処理設備受注
・月島機械、韓国住友精化からSAPプラント受注
・日立製作、米公益電力から変圧器受注
・MHPS、ウズベキスタンと発電O&Mで覚書
・10社コンソーシアム、岩船沖風力事業者に
・IHI〜神戸大学等、藻類バイオ燃料で大規模製造試験へ
・シグマパワー、小水力発電PJに参画
…横河電機、露バシネフチとパートナー契約
…NSENGI、野田物流センターを受注、着工
…三菱重工、世界初の油圧ドライブ洋上風力実証へ
…HZI、欧州で焼却発電設備完成
…JBIC、DS LNGに資源金融供与
…三井造船、社会インフラ総括部を新設
…MHPS、国内産業用火力を統合
…JFEエンジ、スマートアグリプラントを拡張
…千代田化工久保田会長、相談役に

■Procurement
・三菱電機、工業廃水など再利用の水処理技術
・日立産機、LTE対応IoT/M2M端末ラインアップを強化
・島津、分析機器等のメーカー保守付レンタルサービス

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■Editorial 詳細へ

EnB 01号 表紙

 

EYE
●多様性が足りない

 日本企業はとかく日本企業と競合することが多い。エンジアリング業界でも海外プロジェクトの競合相手企業で最も多いのが英米独仏企業と並んで国内企業となっている。国別で考えれば、日本企業同士の競合が最も多いという訳だ。
 日本国内市場でのみ、事業を展開しているのであれば、それもある程度はしかたないのかも知れないが、海外市場ですら日本企業同士が競合しているというのも、効率が悪い。それでなくとも、海外プロジェクトは国内プロジェクトよりも利益が安定しないものである。
 こうした状況が起こってしまう要因の一つは、日本企業に多様性が足りないからなのではないか?とふと考えた。同様のビジネスモデルを多くの企業が共有しているということが、競合を増やし、経済効率を下げていると見る事が出来る。
 自治体などは、まさにそういう事を行っている。どこかの自治体が成功させている事業が紹介されると、それはすぐに全国の自治体に伝えらえ、成功事例の視察団が殺到する。某自治体はあまりに視察が多いので、有料化すると言ったということもあった。
 こうした視察が全て横展開される訳ではないにしろ、基本的にどこの自治体も同じような政策を展開することになり、同じようなグランドデザインで街づくりが行われる結果、全国何処に行っても、同じチェーン店で構成される似たような街並みとなってしまうのだ。
 日本は周囲を海で囲まれている分、異文化との交流が歴史的に限定されてきた。現代では、交通も情報ネットワークも発達したので、交流はいつでも可能となってはいるが、心的に日本人は外国文化を「お客様のもの」とか「借り物」として自国文化とは一線を引いた扱いをどこかでしている。本質的な異文化交流はほんの最近になってようやく始まったばかりであり、多様性についてもまだまだ許容度は高くないようだ。そうした心的ハードルが、事業モデルの多様化を阻み、経済効率性を引き下げている、と見える。

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EDITORAL
●編集後記

○…2月初め、「銀座地区の道路案内標識、ローマ字から英語表記に」と題する新聞報道があった。「2020年の東京五輪を控え国交省と東京都は、銀座の道路案内標識を対象に、日本語併記ローマ字を英語表記に改善する作業を始めた。ローマ字は外国人旅行者にとって分かりにくいため」とある。具体的には、銀座四丁目は「Ginza 4-chome」から「Ginza 4」、万年橋西は「Mannenbashi W.」から「Mannen Brdg.-W.」、銀座中学校入り口は「Ginzachugakko Ent.」から「Ginza J.H.Sch.」になるという。
 ところで、日本語をローマ字表記にしようという運動は長い歴史を持つ。最も表記が変わる可能性があったのは、日本敗戦後のことだ。「太平洋戦争終結後、1948年に日本語は漢字が多いために覚えるのが難しく、識字率が上がりにくいために民主化を遅らせていると考え、GHQの発案で日本語をローマ字表記にしようとする計画が起こされた。そして正確な識字率調査のため、国字ローマ字論者の言語学者である柴田武に全国的な調査を指示した」とある。戦後、志賀直哉は「日本語を廃止して、世界中で一番うつくしい言語であるフランス語を採用せよ」と提案。同時期、読売新聞は「漢字を廃止せよ」との社説を掲載した。
 今となってみれば、国字がカナモジ、ローマ字にならなくて良かったと思う。

○…最近ラジオを聞くが、言葉の専門家であるアナウンサーとくに民放関係者が日本語学の訓練を受けていないことに気づいた。
 最近、著名パーソナリティとベテランアナウンサーが同一の誤りをして、正しいと確信して強要している例に出会った。それははじめという意味の「はな」が韓国語の1を表す「ハナ」が同じという誤謬だ。
 日本語の「はな」は「はし」という語の仲間で物事の先端という意味で、鼻も元来同一語、日本語本来の言葉で外来語でない。
 また2言語を比較するにはなるたけ古い形に遡るのが言語学の常識だ。「はな」の発音の歴史を見ると、先頭のハ行音は万葉の頃は破裂音p、その後摩擦音fに弱まり、江戸時代以降現在のhになったというのが日本語史の常識。つまり「はな」は元来panaという語であった。
 一方韓国語の「ハナ」は固有語の数詞で日本語の「ひとつ」にあたる語。語頭の子音hは韓国語でもっとも遡れる中期朝鮮語でも変化はない。
 つまり日本語「はな」と韓国語hanaは意味も本質的に異なり、少し遡れば全く似ていない語、他人の空似だ。日本語の発音とくにハ行音の発音の歴史を知っていれば、デタラメであることが事例だ。このハ行音の歴史に反するもっともらしい事例は多いのにはうんざりする。

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