EnB 01号 目次
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構造変化の象徴

■Projects News
・アブダビChemaWEyaat、来年にもプラント着工へ
…Orpic、Sohar石化PJでEPCコントラクター選定へ
…Bapco、油価下落でSitra製油所リハビリを延期へ
…Aramco、石油製品貯蔵設備建設計画を棚上げ
…エジプトで第二期ソーラー発電事業者募集を検討
…ヨルダン、太陽光発電の提案期限を延期
…アブダビTacaamolのO&Uは入札延期
…アラスカLNG、前進へ
…Amec Foster Wheeler、中国でPM業務
…Aramco、Ras Tanuraクリーン燃料計画を中断
…BASF、PVP増産で6,500万ドル投資へ
…CB&Iとシェブロン、Bapcoの製油所改良業務受注
…斗山重工、カザフ・ベトナムで発電プラント受注
…Exxon、PNG LNGを拡張へ
…Formosa、MEGおよびPEプラントを計画
…グルジア政府、BOTで製油所計画
…GS建設、ベネズエラでガスプラント受注
…カザフスタン、Pavlodar製油所改良で資金調達
…Mina AbdullahでFluor子会社がシビルワーク
…バーレーンでアロマコンプレックス
…KBR〜SK建設、Magnolia LNGでJV
…ペルーで水力発電計画
…ベトナム、PTT/Aramcoの石油石化PJを認可へ

■NEWS Flash
・日揮、マレーシアのLNG拡張計画を受注
・伊藤忠〜ササクラ、シュアイバ2造水設備受注
・豊田通商、米リパワリングPJに参画
・MHPS、カナダ向けにJ型GT採用のGTCC設備受注
・川崎重工、韓国向け内部循環流動床ボイラ受注
・JX日鉱日石E、八戸LNG基地運転開始
…三井造船、米SasolからLDPEプラント受注
…JFEエンジ、スリランカで下水処理施設受注
…横河電機、ベトナム石炭火力向けシステム受注
…日立、台湾から振り子式特急車両追加受注
…JFEエンジ、川崎北部市場をリノベーション
…BWSC、英国のバイオマス売電事業を拡大
…次世代海洋資源調査技術研究組合が始動
…Hitz、再エネで電力小売市場に参入
…VTEX、米国で真空バルブ現地法人設立

■REPORT
油価下落でも効率化は継続

エネルギー関連充実のMETI予算

■Global Report
2014年韓国海外建設660億ドルの受注
歴代2位の記録も700億ドル目標は未達

2014年の中国海外プロジェクト受注、1900億ドル超

■TOPICS
電力・ガス市場に400社以上が参加

■Procurement
・アズビル、位置計測センサ
・メガエンジニアリング、圧力計測機器ガイド
・横河電機、データ収集制御システムの機能強化

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 01号 表紙

 

EYE
●構造変化の象徴

 サウジアラビアのアブドラ国王が亡くなった。イスラム国の人質事件のため、あまり注目されてはいないが、本来ならば原油価格にも大きな影響を与えかねない、大きなニュースだ。事実この報道を受けて、原油価格は一時1$程度急上昇したが、サルマン新国王がヌアイミ石油鉱物資源大臣の留任と、アブドラ前国王の政策を引き継ぐ方針を表明したことで、再び下落した。とりあえずは現状の低い原油価格水準が維持されることになったというのも、あまり注目されなかった理由の一つかもしれない。
 それでも、アブドラ国王の死は、エネルギー業界、そしてプラント業界においても大きな事であることは変わりない。石油に限らず、ガスや石油化学、電力関連など、サウジアラビアのインフラ関連プロジェクトには、日本も少なからず参加してきており、我々との関係は決して浅くはない。
 ただ、以前からサルマン新国王が政権を運営してきているので、ここでサウジアラビアの政策が大きく変わらないと予想されていた。原油価格をOPECが維持するというこれまでの方針は、今や影を潜めた形となった。今後暫くは、需給が価格決定の主要因として推移しそうだ。
 しかし原油価格の下落はサウジアラビアにも、影響が出ている。具体的にはラス・タヌーラ製油所のアップグレーディング計画が1年ほど中断されることになったのだ。サウジアラビアだけではなくカタールでも、Shellが参加するAl-Karaana石化プロジェクトが中止となった。米国ではシェール開発企業に破産申請する会社も出てきているなど、原油価格下落が具体的にプロジェクトに影響を及ぼしてきている。だが、「もともとボラティリティが高い」石油市場はこれまで継続的に投資を続けてきており、あまり悲観する必要は無さそうだ。特に中東ではボトムレスなどの石油高度化や、石化プロジェクトでも、よりダウンストリームやファインな分野へと投資の内容は変化しつつある。
 アブドラ国王の死は、そうした構造変化の象徴であるかのようだ。

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EDITORAL
編集後記

○…「終末時計」をご存知だろうか。終末時計は日本への原子爆弾投下から2年後、冷戦時代の1947年にアメリカの科学誌「原子力科学者会報」の表紙絵として誕生した。さる1月22日に発表された終末時計ではこれまでの残り5分から2分進んで「残り3分」となったようだ。進んだり戻ったりする終末時計が、人類滅亡となる午前零時にもっとも近くなったのは1952年の「残り2分」。米ソの冷戦時代だ。
 この時計が午前零時から最も遠のいたのは、1991年の17分前であった。その後、1998年には9分前。インドとパキスタンが相次いで核兵器の保有を宣言したからだ。2000年代に入ると時計は進む。2002年には7分前。米国がABM条約からの脱退を宣言したことなどからだ。2007年には5分前と終末に近づく。北朝鮮の核実験強行、イランの核開発問題、地球温暖化の更なる進行。だが、バラク・オバマ大統領による核廃絶運動で2010年は6分前と1分遠のいた。ところが、2012年には5分前に戻る。核兵器拡散の危険性が増大したことや、福島第一原子力発電所事故が起きたことなどよる。
 そして今年、時計の針が3年ぶりに動いた。針が進められた原因は、核軍縮の取り組み停滞などが理由のようだ。昨今の世界情勢をみると、今後はこれまで経験のない「1分前」もありうるのでは…。

○…世界は本格的なテロ戦争の時代に入ったことを痛感する。相手は近代社会を破壊しようとする狂信集団であり、実態は合理的な未来社会のイメージがあるわけでもないオカルト犯罪集団なのだが、やっかいなことに近代社会の到達したハードウェア・ソフトウェア・マインドウェア・マネジメントなどの各種の最新鋭のスキルを駆使しており、巧妙に立ち回っている。
 本年に入っての日本・日本社会・日本人・日本政府の対応を見ると、事態の深刻さを十分に認識しているのか、対応の厳しさに欠けていると感ずる。パリのテロに対して、風刺画がイスラム教徒に不快云々など全くの的外れだ。口実はいくらでも考えつく、パリでのテロという宣戦布告なのだ。
 ISISによる邦人人質事件で、日本社会がようやく身近に感じたようだが、当面の人命尊重が優先される雰囲気が未だに強い。人権の価値を認めないISISに通じるものではない。テロリストへの譲歩は次の被害を引き起こす。テロリストには一歩たりとも譲ってはならないという米英の主張を全世界が実行することが真の人命尊重なのだ。
 昨年はアルジェリアで邦人を含む多数の犠牲者を生むテロがあった。プラント現場は中東、アフリカを始めテロリストの活動拠点に近いところが少なくない。当座ではなく長期的な観点のテロ対応が必須なのだ。

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