EnB 21号 目次
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■EYE
BCP+省エネ再エネ 詳細へ

■REPORT
NSENGI、AW炭酸向けESCAP商業プラント完成
−世界初、熱風炉排ガスから高純度CO2精製

受注環境好調も採算面に陰り−プラント業界の第2四半期決算状況

■GLOBAL Business
・三星重工業・三星エンジニアリング、合併撤回
・Halliburton、Baker Hughesを346億ドルで買収
・WSP、Parsons Brinkerhoff買収完了
・Amec Foster Wheelerが発足
・Babcock & Wilcox、電力事業を分離

■TOPICS
水素事業化への動きが活発化

上半期産機受注、3兆円超に−プラントは輸出の7割弱に−産機工

■NEWS Flash
・月島環境エンジ、インドネシアPVC環境設備受注
・双日〜L&T、DFC西線の電化工事を受注
・日立製作所、シンガポール都市交通向けシステム受注
・川崎重工、富士石油向けに新開発のBTG設備受注
・清水建設、深海都市「OCEAN SPIRAL」を提案
・地熱バイナリ発電が12.8倍に−富士経済が調査
…横河電機、RAPIDで制御ソリューション受注へ
…日立製作、カンボジアの工業団地のFSを開始
…三菱商事、ミャンマーの空港運営事業に参画
…三菱重工、鋳造工場を二見に集約へ
…Hitz、防災機器事業で2件の投資

■Projects News
…サウジ電力、ISCCで技術入札
…アラムコ、Jizan製油所でSK建設の契約を停止
…Alpek、75万t/yのMexico EGプラントを計画
…Bear Head LNG、輸出認可を申請
…BP、PTAプラントをアップグレード
…CB&I、水素プラント受注
…Cheniere Energy、LNG計画で25億ドルを確保
…Jacobs、ChevronのCape Town製油所のEPCM受注
…中国がイランの石化計画に45億ドル
…中国、メキシコと140億ドル投資協定
…CNPCとRosneft、天津製油所を実施へ
…GAIL、TAPIパイプラインでSPC設立
…CPChem、PAOプラント拡張を計画
…Dow Chemical、アルゼンチンのPEなど拡張へ
…ETP〜REP、NGLパイプライン建設へ
…ETP、ガスプラント建設へ
…印IOC、Paradipにエチレンプラントを検討
…独Messer、ベトナムの製鉄所にASU建設へ
…MSC、新規ホルムアルデヒドプラント建設へ
…Siemens〜Bechtel、Panda Power向けGTCC受注
…Petrovietnam、Long Son石化の持分を増加
…Shell、エチレンPJでMonacaサイトを購入へ
…SK建設、チリ石炭火力発電を受注
…SNC-Lavalin、中国に改良型CONDU炉
…Sunoco、NGLコンプレックスを計画
…Technip、Westlakeのエチレン拡張を受注
…Technip、ADMA-OPCOからコンサル業務受注

■Procurement
・横河電機、「CENTUM VP R6.01」を開発・発売
・日立、業務改革計画の策定・実行を一貫支援
・IHI、水潤滑式スクリューコンプレッサー

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

■Editorial 詳細へ

EnB 21号 表紙

 

EYE
●BCP+省エネ再エネ

 BCP(事業継続計画)は、災害などで企業がダメージを受けても、企業活動を継続できるよう、事前に対策を立てておく事であり、阪神淡路大震災を契機に、日本でも注目されるようになった。そして東日本大震災では、BCPの意味に大きな変化が起こったといえる。それは電力供給途絶という事態を経験したことで「エネルギー自立」が対応策として加えられたということ。
 以前は緊急時の電源確保に関しては、消防法で総合病院や一部の大規模商業施設に設置が義務付けられていただけであり、一般の企業がそれを考える必要は無く、エネルギーコスト削減を目的とした省エネシステムやコージェネレーションの導入があっただけだ。だが企業向けの電気料金の低減などで、それもメリットが減少して導入にブレーキが掛っていたし、そもそも緊急時の自立電源確保という意味はほとんど無かった。
 最近では、工場のマイクログリッドシステムなども提案されているが、担当者に聞くと「省エネだけではやはりペイしない」という。ただ、再生可能エネルギーなどを使って非常時に必要な電力の一部を自立して供給することが可能なので、BCP設備としての機能も持っている。
 今までの非常用電源は、導入しても一度も使わないまま、取り換えなければならないということもあり、設備投資として非常に効率が悪い。対して、普段使っている省エネや再エネシステムを活用することでCO2削減にも役立ちながら、非常時には独立電源として事業を継続できるようになるとなれば、投資の魅力は上がるのではないか。
 こうした「BCP+再エネ、省エネ」という流れは、東芝と川崎市が進める「川崎マリエン」のように、最近の一つの流れとして出始めてきたようだ。今後導入が進めば、再エネ導入拡大とエネルギー効率化、そして国土強靭化の一石三鳥のシステムとなるかも知れない。ただ「BCP投資を考えている経営者が少ない」という声もある。経営者の意識改革の方が問題かもしれない。

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EDITORAL
編集後記

○…慌ただしく選挙戦に突入した今日この頃では、いささか旧聞に属する話題かも知れないが、北京でAPECが開催されたのはついこの間のことである。そのAPECで注目された日中首脳会談は「日本側がコケにされた」としか思えない展開であった。また、安倍首相とプーチンとの首脳会談にしても、ただ会談をしただけとしか思えない内容であった。そして日米首脳会談は行われなかった。こうなると日本にとってAPECでの外交成果は何もなかったように見える。
 そんな中、日本にとっても明るい話題ではないかと思われることが一つあった。「APECブルー」である。
 APECの歓迎夕食会で、主催した習近平国家主席は、「この数日間、毎朝起きると、まず空気がいいかどうか確認してきた」と、大気汚染で中国のイメージが悪化することを恐れていた真情を吐露したという。中国政府は会議中の青空を「演出」するために工場の操業を停止したり、車両通行規制を強めたりしてきた。「APECブルーが永遠に続いてほしい」とスピーチを締めくくったようだ。
 習氏はAPECブルーが続くように環境保護に力を入れることを表明した。これで隣国日本の大気汚染も少しは緩和されるかもしれない。そして、環境保護技術では日本企業にとってもビジネスチャンスとなるかも知れない。

○…ウクライナが混乱の中、デフォルト(国家破産)の危機にあるそうだ。IMFが救済案を提示、西側諸国も救済の意向を示しているが、この支援につけられた条件がウクライナ国民・経済の苦悩を増幅させることは間違いない。ウクライナの政治そして経済の混沌は、ソ連崩壊後の20年間の改革と言う名の愚挙の繰り返しの結果だ。そもそもウクライナはソ連時代ロシア経済の一環といっても過言でない。現在独立を目指している東南部2州はロシアを市場とする石炭・鉄鋼の重工業地帯であるし、何よりもウクライナはロシアガスの欧州への通過路なのだ。また文化・歴史・言語あらゆる面で、西中欧ではなくロシアとの関連が深いのに反ロシアを続けた結果が現在の惨状だ。
 経済的にも政治的にも正当性の見えなかったスコットランド独立は賢明な民衆の投票によって、葬り去られた。経済的基盤のない独立は、独立後の民衆の苦悩にしかならない。沖縄知事選は辺野古への県内移設反対派が勝利した。米軍基地を沖縄にのみ押し付けるという不公正を是正すべしとの沖縄の民意なのだが、政府は引続き経済的な懐柔策でのりきれるとしているようだ。独立などという極論も沖縄知識人に増えているという。沖縄独立など経済的政治的に不幸しかもたらさない。沖縄の民意を受け止めた基地問題解決の前進が必要だ。

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