EnB 19号 目次
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■EYE詳細へ
一寸先も良く見えない

■REPORT
複雑化するLNGプロジェクト

安全・品質を向上するIIFプログラム-日揮が展開する現場改革

■GLOBAL Report
韓国1-9月期の海外建設好調、海外プラント低迷

巨大な国内市場に支えられた中国コントラクター

■GLOBAL Business
・1-9月期の中国海外プロジェクト受注、1000億ドル超
…Aker Solutions、2社に分割・上場
…Babcox & Wilcox、発電事業とO<M事業に分離を検討
…Tetra Tech、固定価格浄化事業から撤退
・Bechtel、組織再編で世界インフラ部門を創設
・AECOM、URS買収が完了
・ARCADIS、Hyder・Callison買収完了、Franzも買収
・Xodus・Saipem・千代田、海中エンジ企業合弁設立
・AMEC、FWとの合併後の社名AMEC Foster Wheelerに
…FW、南アのMDM Engineering買収が完了
・Stantec、DESSAUのエンジニアリング事業を買収

■TOPICS
Hitz、マイクログリッドを構築-BCPと省エネを同時達成

■NEWS Flash
・JFEエンジ、印DMC貨物線の橋梁工事受注
・川重〜CONCH、中国ごみガス化システム6機受注
・千代田化工〜MHI、H2/CO2-FPSOでAIP取得
・月島機械と高砂熱学がエネルギーで業務・資本提携
・双日〜川重、トルクメニスタンの肥料プラント完成
・丸紅、ミャンマーで石炭火力事業
…日立製作、イラクで海水淡水化前処理設備
…MHI、シンガポールの廃棄物発電改造を受注
…東芝、米超臨界CO2サイクル火力タービンを供給
…日立製作、英国の車両商談で優先権
…横河電機、ラービグUGTCC制御システム受注
…L+G、ブラジルからスマートメーター受注
…Hitz、CSP用集光装置を初受注
…Hitz、仙台市で基幹的設備改良工事2件
…NSENGI、広島で下水汚泥固形燃料化事業
…三菱重工、EU-APWRが認証取得
…MHPS、世界最大のボイラ燃焼試験設備を竣工

■Projects News
…Castleton、12億ドルでメタノールプラント
…印Nuberg、アブダビのクロルアルカリ設備受注
…Badlands NGL、ノースダコタでPEプラント
…Bapco、Sitra製油所近代化でCLGにエンジ業務
…Bechtel、ルイジアナでLNGのFEEDを受注
…カナダで世界初の商用規模CO2回収石炭火力
…CNPCとRosneft、天津製油所計画でFIDへ
…タイEGAT、LNG受入基地建設を検討
…テキサスのGTGプラントに環境認可
…Huntsman、MDIプラントを計画
…Ineos、EOプロジェクトを無期限中断
…Linde、アンモニアプラントを建設へ
…Jacobs、Neste Oilのバイオプロパン設備受注
…Neste Oil、フィンランドの製油所運営を統合へ
…テキサス中部で、上水プロジェクト進展
…NV Energy、100MW再エネでRFP
…Canada LNG、中断へ?
…Yanbu製油所、HCが来年半ばに稼働
…Sibur、アムールガス化学PJで現地政府と合意
…Spectra、原油パイプラインを計画
…Flour、AEPの発電所の環境改修サービスを受注
…Windy Cove、CO2-EORに7億ドル
…クウェート、水処理プラントでテンダー
…Orpic、SoharのLiwaプロジェクトを前進
…アラムコ、アクリロニトリルでテンダー

■Procurement
・アズビル、マルチバリアブル機能付き渦流量計
・横河電機、機器調整・設定・管理ソフトウエア
・住友電工、遠隔地からトラブル対応

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 19号 表紙

 

EYE
●一寸先も良く見えない

 原油価格が80数ドル程度まで下がってきている。国内産業にとってはエネルギーコストが低下するので喜ばしいことだが、円安が定着しているせいか、あまりその恩恵を受けている実感はない。これまで収益面で苦しいものがあったので、原油安の影響が生活まで回ってくるには、まだ時間がかかるだろう。しかも、このまま原油安の傾向が続くとも限らない。米国ではこれから暖房用の石油需要が上がってくる季節だが、一方でシェールオイル生産が順調に伸びているので、米国の原油輸入量はこの数年、一貫して低下している。このあおりを受けて中南米産原油が他地域に向かうなど、世界的にエネルギー資源の流れに変化が生じており、市場を見通すことは難しくなった。
 また北米ではコストアップによる採算性の低下で、いくつかのガス関連プロジェクトに遅れが生じている。そこに原油安が来ており、北米のLNG輸出のメリットが出しにくくなってきている。事業採算性に懸念が生じるのもしかたない。
 一方で世界的には紛争による政治リスクが高まっている。ウクライナ問題への対露制裁でロシア資源の開発が難しくなりつつある。しかし対露制裁によって欧州向けのガスが減少する訳では無く、開発投資していたエクソンモービルだけが、ババを引いたとも言われている。
 さらにイスラム国が石油パイプラインや石油設備を攻撃するような事が有れば、原油価格は高騰してしまう。それでなくとも次期OPEC総会での減産はほぼ決定的なので、この二つが同じ時期であれば、再び100ドルを狙う展開になる可能性もあるなど、とにかくエネルギー市場は先行き不透明感が深まってきている。
 そう言えば、ロシアは中国向けのガス輸出を優先するため、日本と合意しているウラジオストックLNGを停止するとか、いや日本にはパイプラインでのガス供給を打診しているとの話もあるが、いずれも確認されてはいないといったように、色々とマユツバな話も出やすくなってきた。

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EDITORAL
編集後記

○…このところ世の中に何やら閉塞感がただよい、暗い話ばかりが続いた。自然災害ばかりでなく、政治・経済も含めた社会全体に暗雲が立ち込めているような気がしてならない。そんな中、青色LEDの日本人研究者3名がノーベル物理学賞を受賞した。久し振りの明るいニュースにメディアもこの快挙を大きく取り上げた。安倍首相は早速、「人材こそが日本の誇る資源」というコメントを発表した。ノーベル賞を受賞するような「優秀な人材」は日本の財産であることに誰しも異論はないだろう。だが、この件に関してのメディアのお祭り騒ぎの中で、少しばかり違和感を感じた人が少なからずいたのではあるまいか…?
 まず、受賞者三名のうち一人はアメリカに招聘されて大学教授となり、米国籍も取得している。事実、海外では「日本人二名とアメリカ市民一名」という報道のされかただという。一挙に「日本人三名が受賞」と手放しで喜んでいていいのだろうか。なぜなら、米カリフォルニア大の中村修二教授は、日本の研究環境や企業の対応を批判してはばからない。
 そんな中、口では「人材は日本の財産」といいながら、政府は発明の特許権を会社帰属とする法改正を進める。企業に研究者は要らない、サラリーマンで十分ということなら、日本から優秀な技術者はますます逃げて行く。

○…女性活用ということが叫ばれており、成長戦略の柱として位置づけられている。2020年までに指導的立場の女性が30%、スローガン的には管理職30%という目標設定だ。現状が11.1%、しかも500人以上規模なら4%ということから見れば、具体的かつ画期的な政策が実行されなければ、画餅に終わるのが落ちだろう。政府は拙速に女性大臣5名という改造をやったが、早速に2名の大臣が更迭となった。指導的立場の登用とは言いがたいものとなってしまった。
 男女平等指数というのが発表されて、142カ国中104位と新聞にでている。単純に複数の指標で比較したものだから、日本の女性活用度が104位などというのは眉唾ものだが、国別には示唆に富む。アイスランドなど北欧諸国が上位をしめる。これら福祉国家が厳しい社会であり共稼ぎが通常であり、福祉分野での女性進出の反映である。またフィリピンの活用率が高い。これはフィリピンは女性の学歴も高いが、それを官公庁が積極的に活用していることがある。
 政府はあてにならない民間ではなく、福祉分野・官公庁・政治・教育分野といった自らが努力可能な分野に積極的な目標をかかげ実施すべきだろう。例えば2020年30%なら上級公務員女性採用枠50%、自民党議員女性候補者50%と言う目標だ。まずは厚生労働大臣・文部大臣は恒常的に女性枠にすべきだ。

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