EnB 17号 目次
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ビジョン見えない水素社会

■REPORT
世界が注目した、日揮のタガニートPJ

今年度受注見通し7割増-エンジニアリング白書

■GLOBAL REPORT
景気上昇が、E&C産業の成長を先導

■GLOBAL Business
・CH2M Hill、1200名をリストラ
・Siemens、Dresser-Rand買収に勝利
・AECOM、URS統合後の事業体制を発表
・カナダWSP、Parsons Brinkerhoffを買収
・Sinopec、子会社事業転換で油田サービス企業を上場
…現代重工業、経営陣を刷新
…日本工営、Hyder買収提案を取り下げ

■TOPICS
JFEエンジ、ごみ発電施設を遠隔支援

ENAAシンポジウム2014開催へ

■NEWS Flash
・住商、物産、アフリカ発電事業に参画
・Hitz、アイルランド向け初のごみ発電受注
・清水建設、シンガポールで医療施設受注
・MHPS、東電からIGCC設計業務受注
・MHPS、海外向け機器を相次ぎ受注
・横河電機、Pemex向けに制御システム
・JFEエンジ、バイオマス発電を事業化
・NEDO、インフラ管理技術開発PJを始動
・中国SUMEC、日本法人開設でPV市場参入
…Hitz、神戸製鋼等、浪江町廃棄物減容化処理業務
…三井造船、バイナリー発電設備初受注
…三井造船、韓・印から軸流圧縮機など
…IHI等、バイナリー発電でVerdicorpとOEM契約
…日立製作所、欧州原子力研究センタを開設
…東芝、鉄道駆動システムでエンジ合弁
…清水建設、放射線リスクコミュンケーションツール開発

■Projects News
…Marcellus Shaleガスパイプライン計画が前進
…アラスカLNG、FERCに事前申告要求
…Alon USA、シェール油精製能力を拡張へ
…AREVA、南ア原発のSTリプレースを受注
…Technip、BAPCOのSitra製油所拡張のFEED受注
…Technip、印BPCLのガスコンプレックス受注
…米CHS、窒素肥料に30億ドルを投資
…CHS、モンタナのリファイナリーをリバンプ
…Neste Jacobs、スウェーデンのクラッカー受注
…Cameron LNG、輸出認可取得
…CB&I、ガス処理プラント受注
…ルーマニア原発で中国が単独応札
…中国核工業集団、アルゼンチン原発をサポート
…ドバイ、320億ドルで世界最大の空港建設へ
…エジプト製油所拡張計画でファイナンス確保
…エマソン、発電所計装制御リプレースを受注
…ExxonMobil、Slagen製油所に新規設備導入へ
…KBR、Fertialからアンモニアプラント拡張工事
…印Paradip製油所にクウェートが投資提案
…Kuwait、Al Zourと石化PJを統合へ
…Linde、加Woodfibre LNGを受注
…Neste Oil、ロッテルダム製油所に新規設備
…ONGCのDaman開発計画、2016年生産開始へ
…三星エンジとTR、Pemexからプラント受注
…POSEC、ナイジェリアで発電プラント受注
…Aramco、PTTベトナムBinhDinh計画に参加
…UAEのLNG受入基地で入札

■Procurement
・横河メータ、プラントの温度計などの校正器
・日立パワー、効率良く窒素分解の廃水処理装置
・アズビル、バルブのメンテナンスセンター開設

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 17号 表紙

 

EYE
●ビジョン見えない水素社会

 資源エネルギー庁は来年度事業の柱の一つとして水素社会への取り組みの強化を挙げており、予算も今年度の165億円から、401億円へと増額要求している。具体的には、家庭用燃料電池(エネファーム)の導入支援、水素ステーション整備の加速化と規制の見直し、燃料電池の向上と低コスト化、水素の製造・輸送・貯蔵・利用まで含めたサプライチェーン全体での技術実証などを進めていくとしている。
 だが「水素社会」という時にいつもエネファームが最初に挙げられることに大きな違和感がある。正直にいって、エネファームは燃料電池を使ったガス拡販戦略であり、水素社会というキーワードにはそぐわないと感じる。昨年来、水素社会は注目を集め水素関連企業の株価も上昇したというが、そのブームも、エネファームを加えているために、底上げされているといえる。
 冷静に見てみれば、技術面でも導入・普及面でも実は1年前と状況はほとんど変わっていない。来年度末までに100カ所の水素ステーションを全国に設置するという目標をエネ庁は立てているが、事業者として名乗りを上げる企業は少なく、その実現も危ぶまれている。また、例えこの目標が奇跡的に実現できたとしても、100カ所程度では燃料電池自動車の一般への普及を押し上げる力とは殆どなりそうにない。公共団体や一部企業の試験的導入が見られるという程度だろう。
 かつて、煤塵を発生しない等の理由で天然ガス自動車が注目されたことがあったが、今でもその車両は走っているものの、導入台数が拡大している訳ではない。政府も既に天然ガス自動車導入促進には全く力が入らなくなってしまった。
 水素に至ってはネットワークすら存在しておらず、電気自動車と競合する面もあり、これではいつ政策が打ち切られるかわからない。「ブレークスルーモデルを考えていかなければならない」と資源エネルギー庁からも声が出る。その展望を示すことが出来なければ、水素社会もいずれ、エネルギー政策から外れていくだろう。

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EDITORAL
編集後記

○…毎日のようにいろいろな事件が起きている。つい最近は、行方不明になっていた小学一年生の女の子を死体遺棄した疑いで中年男性が逮捕された。次から次に耳を疑うような事件が起きるので、異常なことにもさほど驚かなくなってしまった。
 しかし、今年夏に起きた2件の出来事には考えさせられた。一つは、7月末にさいたま市で盲導犬が何者かに刺された?事件だ。どうもフォークのようなもので刺されたらしく4カ所にわたって1cm程度の傷があり、おびただしい出血があったのに盲導犬のオスカーくんは鳴き声を上げなかったらしい。白昼の人通りのあるところでの出来事だ。まだ犯人は捕まっていない。もう一つの事件は、比較的最近に起きた。同じく埼玉県のJR川越駅のコンコースで全盲の女子高生が何者かに後ろから足を蹴られ負傷した事件だ。午前8時前の朝のラッシュアワーに起きた。どうやら、女子高校生の白杖につまずいてバランスを崩した腹いせに?足を蹴ったらしい。
 二つの事件で感じたのは弱者を傷めることに何の躊躇も抱かない犯人への怒りだけではない。それよりもっと腹立たしいのは周囲の人の反応だ。ラッシュアワーで周りの人が何も気づかないはずがない。我々は、他人の災難には無関心、見て見ぬふりする人種になったようだ。

○…スコットランド独立投票が18日に行われ、独立反対が勝利した。英国はとりあえず一安心だが、英国政府は勝利するための約束(地方自治拡大とか北海油田税収の還元など)の履行には頭が痛そうだ。
 しかしスコットランドの独立、英国以外から見ると、ほとんど独立の正義が見えない。確かに数百年前はイングランドと別の国だったことは確かだが、人種・言語が違うではなし宗教もプロテスタントでの若干の違いのみ、欧州で問題となっているカタロニアやベルギーなどとは比べものにならない。英国内での違いなど見えない。地方分権拡大運動の暴走というべきだろう。
 独立国としてやっていける財政的基盤はない、現実を知るスコットランド人の賢明な反対投票が夢見る若者の賛成を抑えたという構図だ。
 歴史的に見ると、スコットランドは大英帝国の最盛期を支えた地域、とくに産業基盤はスコットランドにあった。石炭・鉄鉱石が算出、産業革命の中心地であり、造船業・繊維産業など世界の工場であった。いまでは繁栄を誇った英国の産業は壊滅、スコットランドの地位低下につながり、イングランドとの不公平感が独立騒動になったというだ。こうした地域的不公平感の過熱は独立騒動につながりかねない。わが国でも沖縄を見ると、よそ事とはいえない。

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