EnB 12号 目次
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■EYE詳細へ
スマコミはiPhoneになれるか

■GLOBAL Report
Alstomエネルギー部門争奪戦、GEの勝利
当初の完全買収から買収・合弁混合で決着

■GLOBAL Business
・KBR、業績不振で事業を戦略的に検討

■REPORT
防爆ソリューション展開を図るP+F

■TOPICS
経産省、水素・燃料電池戦略まとむ

日立製作所、グローバル化を推進へ

■NEWS Flash
・三菱重工/三井造船、ExxonMobilの米拡張案件を受注
・IHI E&C、ノースダコタで肥料プラント受注
・東芝、イグアス水力発電所設備を受注
・東芝プラント、タイでGTCC4件を受注
・IHI〜清水建設、相馬LNGタンクを受注
・富山新港LNGプロジェクトが発注
・Hitz、アラビア湾岸の造水パイロットプラント稼働
…東洋エンジ、岡山でメガソーラー受注
…横河電機、印ララ超臨界火力向けシステム受注
…日立製作所、Veolia Waterと協業
…Hitz,ごみ焼却案件を受注、運営業務も開始
…MHIEC、京都で基幹的設備改良工事受注
…岩谷産業、LPG防災エネルギーシステムで2件目
…荏原製作所、マレーシアKLIA2空港にポンプ納入
…NSENGI、球面すべり支承が大型物流施設で初採用

■Projects News
…ドバイ、600MW発電設備拡張で入札へ
…オマーン、ガスパイプラインでテンダー
…サウジNWC、PPPプログラムでアドバイザー入札
…サウジAcwa Power、ベトナムで石炭火力
…三菱レイヨン等、米でMMA
…エアプロ、Sasolの米GTL向けにエアセパ
…ボリビアで石化コンプレックス計画
…Topsoeグループ、Brass島コンプレックス受注
…C3、PDHでGHG PSD認可取得
…Enbridge Northern Gatewayが認可取得
…エジプト石化PJが前進
…印Paradip港に第2LNGターミナル計画
…CB&I、GoldboroLNGでFEED受注
…Bonaparte FLNG、計画変更
…SasolとIneos、LaPorteにHDPEプラント
…ベトナムLong Son島エチレン計画が進展
…Shell、ペンシルバニアのクラッカーで来年FID
…KitimatLNG向けガスパイプライン計画
…AMEC、UAE原子力プログラムでコンサル
…Chevron、米Old Osean石化PJに着工
…Dangote、EILにプラント発注
…カナダで17億ドルの窒素肥料プラント計画
…Indian Oil、Paradid製油所にプロピレン設備
…Petrofac、アルジェリアReggan計画を受注
…アブダビで苛性ソーダプラント
…ExxonMobil、ベイタウンのエチレンに着工

■Procurement
・ヤンマーエネルギー、800Kwガスエンジンコージェネ
・川重冷熱、超省エネ型ジェネリンク
・ダイヘン、高効率パワーコンディショナ

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 12号 表紙

 

EYE
スマコミはiPhoneになれるか

 iPhoneが支持されているのはデバイスの力という訳ではない。デバイスの性能でいえば、アンドロイド携帯の方がより高く、しかも軽くて薄く大画面化も進んでいるが、それでもiPhoneの牙城を崩すことができない。
 このことは製品単体の性能が付加価値である、という思い込みを払拭するに足る。「アップルはiPhoneを単体の製品としてではなく、エクスペリエンス(体験)を提供するためのツールとして位置づけている」という見方が支持を得ている。そしてこの「エクスペリエンス」日本の経済誌では驚くほど目にしないが、今後の経済のキーワードと言われている。実際、ダッソーシステムズも「3Dエクスペリエンス」を打ち出して3年になる。
 さて、先日行われたスマートコミュニティ展を「エクスペリエンスを意識しているか」という視点で見てきた。だが結果として、エクスペリエンスを意識しているのは、漸く自動車メーカーにそれらしさを感じるに留まっていた。運転中に必要な情報を車が提供してくれるシステムが高度化しており、明確にその体験をイメージできるのだが、電機メーカーはほぼ技術紹介、スマートコミュニティ構想の紹介に留まっていた。
 GEはさすがに多少は意識していたらしく「インダストリアルネットワーク」と称して、なかなかのプレゼンを行っていた。展示していたのはコンポーネントだけだが。
 既に日本各地でスマートコミュニティの実証的な取り組みが行われてきており、それなりに成果も出てきている。しかしそれらの説明は極めて技術的であり、プロジェクトのコンセプトとその成果の紹介だけで、そこに住んでスマートコミュニティを体験した人々のエクスペリエンスが、見る方の感性に伝わってこないのだ。
 「これは楽しそうだ」「こういう生活がしてみたい」と人々に思わせられなければ、スマート化が拡充することはない。エネルギー業界もエクスペリエンスをもっと研究してみてはどうか。

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EDITORAL
編集後記

○…本誌で報じているようにGEが同業のAlstomを買収したが、同時期に北欧のGE Money Bankを売却している。GEはかなりの金融部門の事業・資産を売却・撤退している。日本がその例である。製造業関連のM&Aを進め、原点の製造業部門への回帰を進めている。今回のAlstom統合・提携はその動きを大きく進めるものだという。
 GEの現CEO Immeltは金融部門を本業のインフラ事業の支援部門の方向に進める戦略である。かつて前CEO Welchの時代には利益のほとんどを金融部門で稼ぐため、GEの本質はメーカーでなく金融企業と揶揄されていたころから変貌をとげつつある。金融部門だけでなく、メディア事業NBC Universalを2009年にCATV大手に売却している。GEの戦略が原点回帰の製造業志向であるのに対し、Siemensが現在進めている事業再編も原点回帰だが、この場合は製造業よりさらに絞込み、Siemensの原点電機産業をコアとしている。
 一方、苦闘するSonyはエンターテインメントと金融で再建するといっており、GEと正反対となっている。Sonyのエンターテインメントにはゲーム機もあるが、CBSを傘下におく映画事業があり、なによりもこの部門出身の外人社長が、Sonyを10年余にわたり経営し、原点の製造業を軽視してきたといわれている。

○…厚生労働省によると「非正規雇用は労働者全体の3分の1を超え、過去最高の水準」となっているそうだ。「特に15〜24歳の若年層で、1990年代半ばから2000年代初めにかけて大きく上昇」している。また、雇用形態別では「パート、契約社員・嘱託が増加」している。このように雇用形態が変化しているなかで労働力不足が言われて久しい。私の近辺でも「労働者不足」が話題に上る。建設工事、電気工事、水道工事の職人が多い私のスポーツ仲間の話題は、「滅多に休みが取れないこと」。彼らは「仕事が無いよりはいい」とは言いながら、「当分は労働者不足が解消しない」と考えている。
 深刻になりつつある労働者不足に対応するためなのか、現政権は「家事労働の分野に外国人を活用する方針を固めた」という話を聞いた。本当なのか?「18歳以上、単身での入国」を前提に、外国人を受け入れるという。「外国人に家事労働を担わせることで、日本女性の社会進出を促したい」らしいが、そのためには外国人をとびきり安くこき使うことが前提になるだろう。
 つい最近、都議会でセクハラまがいのヤジが問題になった。このような性差別主義者がまだまだ跋扈している中で、外国人女性を家事労働で雇用するとしたら、日本の恥を世界にさらす事態が多発するような気がしてならない。

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