EnB 10号 目次
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世界で石炭火力の活用を

■INTERVIEW
DHF、バイメット事業を本格展開
伝統のIH技術で高品質製品を供給
第一高周波工業梶@代表取締役社長 平山鋼太郎氏

■GLOBAL Report
2013年のドイツプラント建設、212億ユーロ3%増
不安定な環境においても競争力を維持

■GLOBAL Business
・GE・SiemensのAlstom争奪戦、仏政府介入で混迷
…中建公司、米国広場建設公司買収成立
…Foster Wheeler、Siemsns環境事業買収成立
…SNC-Lavalin、送電事業を売却
…韓国ポスコグループ、企業再構築案作成へ
・Balfour Beaty、Pasons Brinkerhoff売却へ
・WorleyParsons、事業組織を改革
・Stantec、相次いで米国で3社を買収
・Parsons、交通分野・セキュリティ分野でM&A
・Mott MacDonald(MM)グル―プ、大洋州・北米で買収
・Terracon、カリフォルニアで相次いで2社を買収

■REPORT
受注好調もリスク高まるプラント市場
プラント業界の2014年3月期決算状況

■TOPICS
2013年度プラント受注は3割減−産機工

■NEWS Flash
・Yamal LNG、本体工事を発注
・千代田化工建設、カナダのLNGを受注
・TOYO、トルクメニスタンでガス化学コンプレックス
・IHI E&C、米でブテンC4 Oleflex設備更新を受注
…NSENGI、Tenova、DanieliとDRで戦略的提携
…横河、サウジ初の超臨界圧火力向けシステム受注
…東芝、ITER向けトロイダル磁場コイルを受注
…月島機械、鉄鋼向け大型ガスホルダ受注
…JFEエンジ、温泉バイナリー発電受注
…三井造船、国内最大のバイオガス発電事業を開始
…MHI、段ボール製造装置受注つづく
…Hitz、大船渡向けスラリーアイスプラント完成

■Projects News
…クウェート、製油所計画で6グループがPQ
…Aramco、Ras Tanura製油所で再入札
…クウェート、Solarコンバインド発電でEOI
…米Tacomaにメタノールプロジェクト
…BASF、南京でNPGプラント建設へ
…BASF、米でMTPプラントを検討
…BASF-Yara、Freeportにアンモニア
…Celanese、ケンタッキーにコンパウンド
…大宇建設、イラクでDGS受注
…FERC、CovePoint LNGで環境認可
…Carbon Holdings、Tahir石化計画で工事発注
…Duke Energy、フロリダに1,640MWGTCC建設へ
…ExxonMobil、米エチレンでEPAから認可取得
…フロリダ州、FPLの原発計画を承認
…イラクRumaila油田開発でPetrofacがPM
…Lion Copolymer、新規EPDMを計画
…ルイジアナでLNG出荷設備計画
…LyondellBasell、エチレン拡張計画が前進
…MarkWest、クライジェニックプラント建設へ
…Orpic、製油所改善PJで資金確保
…アルバータでNGL分留設備新設へ
…Petrofac、ガスギャザリング設備を受注
…Regency、ルイジアナにガス処理プラントなど
…Sabic、OTCコンプレックス建設へ
…Saipem、JazanIGCC関連工事受注
…オマーン、アンモニアプラントを来年にも発注へ
…Total、イラクで石化コンプレックスを検討
…Williams、エタンクラッカー増設へ

■Procurement
・横河電機、統合機器管理ソフトパッケージ
・IHI、高効率オイルフリーターボコンプレッサー
・TLV、蒸気式温水製造ユニット

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

■Editorial 詳細へ

EnB 10号 表紙

 

EYE
世界で石炭火力の活用を

米国の石炭火力発電の新規制が、来年にもスタートする見込みだ。これが実施されると、1MWあたりのCO2排出量が500g以下の設備で無ければ、運転できなくなる。ところが、世界最先端と言われている、横浜の磯子火力発電所でも、CO2排出量は800g/MWである。石炭ガス化複合火力(IGCC)でも700g/MW程度と言われているので、CO2回収・貯留(CCS)でも使わない限り、この基準を満たすことはできない。これは、米国における石炭火力発電の採算性を著しく 低下させ、実質的に米国では石炭火力発電の運転が出来なくなる。
 もっとも、米国で石炭火力発電が運転出来なくなるだけなら、それはそれで構わない。だが問題は、米国が他の先進国に圧力をかけて来る、との観測があることだ。実際に米国は昨年、石炭火力発電建設に対する、世銀の融資を禁止する方針を示した。これが実施されると、最も石炭火力発電を必要とする途上国でのプロジェクトが頓挫してしまうことになる。燃料費を考えれば、十分な電力が供給できていない国にとって、石炭火力は最大のオプションである。それが使えないということは、途上国に「発展するな」というに等しい暴挙だ。
 日本のプラント業界の心配は、これが石炭火力輸出の障害となる可能性である。世銀ファイナンスがダメなら、日本の円借款やJBIC融資などを活用することで、世界最先端の日本の石炭火力を売り込むことも出来るので、ある意味日本にとってチャンスと見ることもできる。
 だが、心配なのは米国のこの規制に、日本を含めて世界の国が米国の圧力のもとに、同調していく可能性があることだ。そうなると、日本は世界最先端の石炭火力発電を輸出するのに、どうしてもCCSを付けていかなくてはならなくなり、石炭火力のコストは大幅に上がってしまう。一方米国は、シェールガスをLNGにして、途上国にガスタービン発電とセットで輸出することで、一人勝ちの形を作れると踏んでいるようだが、如何か。とにかく、日本や途上国にとって、ここは踏ん張りどころだ。

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EDITORAL
編集後記

○…「吉田調書」−福島第一原発事故時の所長吉田氏の政府事故調への聴取結果書を入手して、大新聞A紙が特報している。政府や東電が秘しているが国民が当然知る権利のある情報を開示した大スクープ記事だ。A紙はその他、医療費不正、アルツハイマー研究不正と優れたスクープ記事を特報している。
 メディア評論家牧野洋氏によると、こうした国民が知る必要があるのに表にでないニュースを掘り起こした報道を「エンタープライズスクープ」、対蹠的にいずれ明らかになるが、誰よりも早く発表するスクープを「エゴスクープ」とよぶそうだ。そして最近のA紙の動向をとらえて「『吉田調書』で特報を放ったA紙はエゴスクープと決別できるか」という記事をWEBマガジン現代ジャーナルで発表している。
 海外と日本のM&Aの報道を見ていて、感ずるのは日本の報道、なかんずく経済大手N紙の報道が、いずれ発表になる案件を早く発表しようという報道が少なくことだ。例えば朝刊で本日発表になる案件を報じ、詳しい解説をつける。夕刊に企業の発表が小さく載る。典型的な「エゴスクープ」だ。
 もっと酷いのは、M&Aとして公表以前の未熟な案件や裏を取らないリーク案件が結構あることだ。未熟段階で公表されたことで、大きく影響した案件はよく知られている。

○…5月23日に札幌中央卸売市場で今年の初競りにかけられた「夕張メロン」2玉に250万円の値がついたという。競り落としたのは札幌市の食材卸会社であるというが、一体このメロンを消費者?に幾らで売ろうというのだろうか。元値は単純に言えば1玉は125万円である。長く手元に置いておくというわけにいくまい。早く食さなければ味が落ちてしまうと思うのだが…?
 このニュースを聞いて思った。もちろん、生産農家は手間ひまをかけてこのメロンを作ったに違いないが、限度というものがあるのではなかろうか。「日本は不真面目な国だ。農業や自然を冒涜する金満国家だ」とまでは言わないかもしれないが、明日の食料にも困っている国々の人にとっては1玉が数年分、いや数十年分の食料費に相当するのではあるまいか?
 競り落とした卸会社が「財政破綻した夕張市を後押ししたい」というのなら、まだ多少は話はわかるが、どうやらそうでもないらしい。そういえば、昨年の青森県大間産クロマグロの初競りでは1億5千万円を超したが、今年は1千万円を割って700万円強となった。昨年と今年のマグロがどのように違うのか、食べたことがないので全く分からない。ただ、このようなことを異常と感じないとしたら、それは我々の驕りではあるまいか。

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